株式会社朝日新聞社様:マネープランの情報を提供し、再雇用を中心にセカンドキャリアを支援されている株式会社朝日新聞社様の取り組み事例をご紹介しています

60歳定年制導入に伴い、1986年から「熟年セミナー」(満56歳)をスタートさせた朝日新聞社様。定年後のマネープランを中心に、セカンドライフを考える機会を提供してきました。1993年に「ライフプランセミナー」に名前を変更。57歳に加え、50歳にも実施しています(現在は57歳と45歳)。その後、再雇用制度の発足を機に、2008年にセカンドキャリア支援プログラムを組み入れることになり、ライフワークスがお手伝いして3年目を迎えています。

*お話は、管理本部人事セクション研修担当部長の坂井俊彦様と同人事セクション主査の三ツ木勝巳様、同人事セクションキャリア支援担当課長の信太恵子様に伺いました。ご担当者の所属などは2010年12月現在のものを掲載しています

セカンドキャリア支援の要望に応えて、3年前から内容を変更

株式会社朝日新聞社 管理本部人事セクション 研修担当部長 坂井 俊彦 様2005年に整った社の再雇用制度(シニアスタッフ制度)により、定年後の再雇用の仕組みができて運用を開始したのですが、働き方だけでなく、セカンドライフについてもっと多面的に説明して欲しい、という要望が出てきました。そこで、2008年度に管理本部の中にセカンドキャリア担当者を置き、キャリア相談窓口を開くとともに、セカンドキャリア支援プログラムを「57歳ライフプランセミナー」に加えることになりました。その際、中高年向けのセミナーで実績があるということで、ライフワークスさんにお願いすることにしました。

朝日新聞社は東京、大阪、名古屋、西部(九州)の4本社制をとっており、原則として各本社で1日間コースの「57歳ライフプランセミナー」を実施しています。セミナーでは、退職に絡む人事制度や定年後の再雇用制度について説明し、自分の年金額の計算も行います。57歳は定年が目前ですが、定年後をしっかり考えている人は少数派です。退職金や年金、住宅ローンの返済法や生命保険の見直しなど、マネープランの話には、多くの受講者が「なるほど」とうなずきます。

ライフプランセミナーは、希望すれば配偶者も一緒に参加できるのが特徴です。夫婦で参加される方が多いと、雰囲気が違います。本人も仕事から頭を完全にリセットして臨むことができ、講師の言葉に対する反応も良くなりますね。

定年予定者の6、7割が再雇用希望。先輩の事例紹介の仕方を模索中

株式会社朝日新聞社 管理本部人事セクション 主査 三ツ木 勝巳 様再雇用制度については、募集の流れや処遇、過去の実績など概要を紹介し、セカンドキャリア担当者やキャリア相談窓口で相談できることを伝えています。

毎回試行錯誤しているのが、セカンドライフの実例の紹介です。2008年は再雇用制度でシニアスタッフとして働いている先輩と、リタイヤして第2の人生を楽しんでいる先輩の2人を招いて、その場でお話を伺いました。ただ、再雇用の職種が幅広いため、自分の希望職種と関連がない事例だと、ピンと来ないようです。そこで、2009年はセミナー講師にお願いして、講師がご存知の再就職の事例を紹介してもらいました。その結果、やはり生の声が聞きたい、という声が多く、2010年はシニアスタッフ2人に私たちが事前にインタビューして、その内容を紹介するという形にしました。どんな方法が良いか、まだ改善の余地あり、といったところです。

再雇用は、定年前年度の事前調査の段階では例年6~7割が希望しています。その後、定年の半年ほど前に具体的な希望をとりマッチングをしていますが、ご自身の体調など個人的な事情の変化や、希望時期に希望する仕事の募集がなかったり、必要スキルなど条件が合わなかったりで、その時点で辞退する方もいます。今のところ辞退を除く希望者のほぼ全員が、シニアスタッフとして再雇用されています。

ライフスタイルの多様化により、モデルケースで説明しにくくなる

株式会社朝日新聞社 管理本部人事セクション キャリア支援担当課長 信太 恵子 様シニアスタッフのモチベーションは高いまま維持されていると考えています。特に同じ職場や職種の場合、定年前と同様に仕事をしています。たとえば、記者として引き続き同じエリアや分野を担当すれば、日々の仕事はまったく変わりません。退職の区切りといっても、読点(、)がついたぐらいで、仕事人生が続いているという感じでしょうか。

当初は、最長雇用期間(2009年度以降の定年者は5年間)働く予定でいる方が多いのですが、健康上の理由などで1年後ごとの契約を更新しない方や途中で終了する方もいます。最近よく耳にするのは、家族や親族の介護のため。介護についても、セミナーなどで情報提供することが必要になるかもしれません。

今後の大きな課題は、多様化するライフスタイルにどう対応するか。よく夫婦と子ども2人という家族をモデルケースに説明しますが、未婚の方が増えていますし、既婚でも子どもがいない方もいます。さらに、定年後に住む地域を変える予定があるか、定年後も住宅ローンが残っているかなどで、一人ひとり状況が異なります。家族の形や生き方が多様化している中で、ライフプランセミナーの内容や方法についても改善が迫られていることを痛感しています。

セミナー概要
課題定年を前にセカンドライフ(仕事・生活)をどう送るかを考えて欲しい
これまで定年後の将来設計について退職金や年金、税金など主にマネープランの情報を提供してきましたが、再雇用制度や先輩の事例の紹介などセカンドキャリア支援の必要性が生まれました。
方法人事や厚生年金基金の情報提供と、60歳以降の働き方や生活を考える機会に
1日のセミナーの前半は、退職に絡む人事制度や再雇用制度の概要説明、自分の年金額の計算を行います。後半はマネープランの作り方や先輩の仕事観・生活観を紹介。希望者は配偶者の受講も可能なので、セカンドライフを家族と共に真剣に考える場になります。
結果マネープランの作り方は好評。事例紹介をどうするかが課題
定年後を具体的にイメージできている人は少なく、退職金や年金、マネープランの話は「参考になった」という声が多数です。一方、働くことについての先輩の事例紹介では「自分に関連のない職種だとピンとこない」という声もあり、工夫のしどころです。
ご夫婦で真剣に受講される方もいらっしゃいます。

コラム セミナー担当講師から

定年後の働き方や生き方を真剣に考えてもらう機会に

60歳以降の人生を考えるにあたって、セッションの冒頭では「何歳まで生きたいのか」「何歳まで仕事をするのか」(仕事をするかしないか?定年(引退)は自分の主体的選択が大事)といったメッセージを伝えています。定年まであと3年という年月は同じでも、その後の仕事と生活はひとりひとり違います。 セミナーを通じて「定年後の働き方」や「自分の人生をデザインすることの重要性」を真剣に考えてもらうために、キャリアの理論や働く事例などを織り交ぜて進行しています。

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