本田技研工業株式会社 熊本製作所様:社内講師でベテラン社員のモチベーションアップを図られている本田技研工業株式会社熊本製作所様の取り組み事例をご紹介しています

本田技研工業熊本製作所様は、二輪車と軽自動車用エンジン部品、汎用エンジンなどを生産しているほか、海外の生産拠点の支援活動を行っています。従業員は3,000人以上。そのうち「50歳のライフプラン研修」の対象となる、E部門(生産部門)の50~55歳は約700人います。2009年から実施し、すでに80人以上が受講。2010年は約200人の研修を計画し、そのため社内講師の育成も進めています。

*ご担当者の所属、役職などは2010年8月現在のものを掲載しています

ベテランの意識を高めて大きな戦力に

本田技研工業株式会社熊本製作所 事業管理部 総務ブロック 研究厚生グループ チーフ 高石 亮介 様熊本製作所でも、E部門の従業員の多くを45歳以上のベテランが占め、今後も割合が高まっていきます。上司と部下の年齢の逆転現象が起きることで、モチベーションに与える変化も見逃せません。戦力がベテランの方々に偏っているため、彼ら一人ひとりの会社への貢献度を高めてもらうことは、熊本製作所のパワーアップに不可欠です。昨年から浜松製作所で行っていたライフワークスさんの研修プログラムを導入し、ベテランの方々がこれからの仕事とプライベートをいきいきと充実させるための、意識改革のキッカケにしてもらいたいと考えています。

「パートナーからの手紙」に感動。積極的に研修に取り組む

浜松製作所での研修の評判は、以前から聞いていました。受講者が泣いて感動する研修である、と。私も体験受講をして、納得しましたね。3日間の研修にはいろいろなプログラムがありますが、もっとも衝撃を受けるのが「パートナーからの手紙」です。20年ぐらい連れ添った奥さんに手紙を書いてもらうのですが、その多くが感謝の言葉と、それにまつわるエピソード。夫に対する健康への気遣いも綴られています。そんな会話は、家庭で改まって交わしたことは少ないでしょう。受講者は、涙を流すほど感動するのです。仕事経験も人生経験も豊富で、研修もいろいろ受けてきたベテランですから、このぐらいのインパクトを与えないと、考え方を変えられないかもしれません。それまで研修に懐疑的だった方も、積極的に取り組むようになります。私自身は受講したとき結婚してまだ3年目でしたが、「パートナーからの手紙」にはやはり感動。本当によくできた研修だと実感しました。

これまで、仕事の棚卸しをして自分の強みを再認識し、次の仕事のステップにつなげる、といった研修は行っていました。しかし、この研修のように、日常生活や家庭生活まで見直すものは、なかなかありません。仕事から一歩離れて自分をじっくり見つめ直し、また、グループワークでメンバーや講師から客観的で的確なアドバイスをもらうことで、たくさんの気づきを得られます。最後に自分らしい生き方や明日からの行動をまとめるのですが、健康に気をつけたい、奥さんをもっと大切にしたい、といったことを書く受講者も少なくありません。

社内講師がポイント。じわじわと現れる効果に期待。

この研修がうまくいっているポイントの一つは、社内講師にあります。社内で同様の立場にいる先輩や同僚がトレーナーのため、受講者は変に構えることがありません。受講者と同じ目線で考えてアドバイスできる、受講者が講師自身の事例を参考にできる、といった効果があります。講師は、各部門の責任者から推薦してもらった方にライフワークスさんの2日間の養成講座を受けていただいて、養成しています。人選に苦労しますが、ご本人のコーチングや傾聴スキルが上がるといった、副次的な効果も期待しています。

2009年は84人が受講しました。この研修を受けた翌日から、その方が劇的に変わったり組織がいきなり活性化したり、そういった効果は期待していません。いちばん大切なのは、一人ひとりが今後のキャリアを自分で考えて描き、やっていこうという気持ちを高めてもらうこと自体にあります。ですから、実行計画書の進捗状況をチェックしたりしません。日常の意識と行動が変わったベテランが増えていき、他の研修や制度との相乗効果で、やがて大きなパワーを生み出していければと期待しています。

この研修はベテラン社員が対象ですが、一方でベテラン社員をマネジメントする年下の管理職のマネジメント能力のアップも課題です。女性社員や障害者の方も含めた、広い意味のダイバシティマネジメントの能力ですね。また、熊本製作所の風土として、強力なリーダーシップのもとでの実務遂行能力は高いのですが、主体性が足りないと感じています。HONDAは、本来とんがった人材がどんどん出てきて、周りを引っ張っていく会社です。特に、これからは海外での生産力増強が重要になります。そこでは、自分の専門性を活かしながら、他の分野まで対応できるマルチな人材が欠かせません。主体的に学んで自分の力を広げていける、そんな人材をどう育てていくか、これも大きな課題です。

左側:講師養成講座では、各職場から選ばれた方が2日間の研修を受けています。右側:人材育成に熱心で、好奇心旺盛、私生活の充実度、などを基準に講師候補を人選しています。

セミナー概要
課題ベテラン一人ひとりの意識改革で、熊本製作所の大きなパワーに
ワーク・ライフバランスを考えることが重要だという認識が全社的に広まる中で、浜松製作所で行われていたライフワークスさんの研修プログラムの評価が高く、熊本製作所でも導入することになりました。それまで、仕事に特化したプロフェッショナル研修を少人数で実施していたのですが、母数の大きいベテラン社員一人ひとりのモチベーションをアップすることが、熊本製作所の大きな力になると考えています。
方法講師は社内講師。経験を踏まえたアドバイスに受講者も納得
研修は社内講師が進めていますが、社内事情や仕事内容をよくわかっているのがメリット。経験を踏まえたアドバイスには説得力があります。受講者も先輩や同僚が講師になっているため、耳を傾けやすい、という効果があります。なお、特に導入当初は、研修の目的を誤解したり、参加しても斜に構えたりする方がいました。そこで、私や所属長から事前に、また研修の最初にも、役立つ研修であり、受講後は皆さん、生き生きされ、意識が高まることをしっかり説明しています。プログラムによっては気恥ずかしく感じられる方もいるため、講師には皆さんが発言しやすい雰囲気作りもお願いしています。
結果95%が「受講して良かった」。「将来の目標が明確になった」という声が多数
最初は消極的だった方が、研修の途中から見る見る変わり、積極的に取り組んで将来の自分を真剣に考える、といったシーンを何度も見ました。2009年度のアンケートでは、95%が「受講して良かった」と回答。講師に対しては「目標を明確にアドバイスしてもらえた」「同年齢のためか素直な気持ちが出せた」といった声が寄せられています。今後も継続して実施しますが、そのためには社内講師が足りません。養成講座を開いて増員を図っているところです。

研修後のアンケートより

研修後のアンケートグラフ

この研修にどの程度期待していましたか?

非常に期待していた
0名
期待していた
4名
どちらでもない
3名
あまり期待していなかった
26名
全く期待していなかった
5名

この研修を受講して良かったと思いますか?

非常に良かった
14名
良かった
28名
よくわからない
2名
あまり良くなかった
0名
全く良くなかった
0名

この研修で、ご自身の将来の目標が明確になりましたか?

明確になった
17名
ある程度明確になった
24名
よくわからない
3名

2009年に受講した44名のアンケートより

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