ライフワークスは40代、50代のミドル・シニア社員のキャリア自律、女性社員の活躍推進、ワークライフバランス浸透支援など、多様な人材のキャリア研修を通じて企業や組織のダイバーシティを推進します。

キャリア開発ラボ女性が自分らしく働く世の中に向けて

2017年03月06日

  • コラム
  • ダイバーシティ・女性
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こんにちは。ライフワークスの岩本です。
女性活躍を推進する研修の依頼が増えていますが、目指すゴールは企業様ごとに様々です。業界・業種の違いもありますが、女性社員の割合やこれまでの役割設定など、女性活躍を考える背景が大きく異なっているからです。
そんな女性研修を担当する弊社の女性トレーナー陣も、それぞれ個性的なキャリアを持っています。その中の一人、渡辺トレーナーに、女性ならではのキャリアの捉え方や、これからの女性活躍について話しを聞きました。

---まずはトレーナーになった経緯を教えて下さい。

渡辺:labo_170306_02.jpgもともとは教師を目指していました。子どもの頃はどんな職種があるか知らなかったこともあると思いますが、「自分がやりたいことをやるなら先生だ」と思ったからです。そのやりたいことというのは、一人一人の才能を一緒に見つけて伸ばすということ。
そう思ったのは、小学校3年生と4年生の同級生がキッカケになっています。二人とも男の子で、学校の成績は良いとは言えないタイプでした。そうすると、子どもの頃ですから、からかいの対象になることもありますよね。
けれども、その3年生の時の同級生は、クラスの「手作り絵本コンテスト」で、優勝してスターになりました。彼は昆虫博士なので昆虫図鑑を作ったのですが、1冊だけでいいのに3巻か4巻も作っていて、絵も上手で詳しく描かれていました。それがみんなにすごいと言われて、大人気になったのです。
4年生の時の同級生は、機械いじりが得意でした。彼の家にある電気ポットや炊飯器などは、彼がゴミ捨て場から拾ってきて、直したものばかりでした。その後、彼は中学を卒業して、電気工事の会社に就職しました。当時は中学校を卒業して就職する人は少なくて、とりあえず高校は出ておこうというような時代でした。そんな中で、「勉強は好きじゃないし得意じゃない、電気が好きだから働こう」という選択をすることが、私にはすごく衝撃的でした。みんなに合わせるとか、世間がこうだからとかではなく、自分の気持ちで自分の得意な事を活かして人生を作っていくというのが、いいことだなぁと、その子の姿から思いました。人はそれぞれ何かを持っているはずですし、周りに合わせるだけではなく、「自分の道」みたいなものがわかったらそれぞれ素晴らしい人生が送れるのではないかと思い、それで教師になろうと思ったのです。

---実際、教師の道に進んだのでしょうか。

渡辺:教育系の大学に入りましたが、いろいろな人のいろいろな才能を見つけて一緒に伸ばしていこうと思ったら、学校を卒業してそのまま学校に就職したのではだめだなと思いました。社会を知ってからでないと、親御さんとも話せないだろうし、なりたい教師像を実現するには、学校の世界しか知らないのでは足りないと考えたからです。そこで、民間企業でしばらく働いてから教員採用試験を受けようと思ったのですが、入った会社があまりにも面白くて教師になるのを止めました。それがリクルートという会社でした。

---社会人生活はいかがでしたか。

渡辺:リクルートで配属されたのがHRの事業部でしたから、世の中にいろいろな仕事や職種があることを知りました。さらに、リクルートの人たちは仕事を楽しんでいて、仕事も遊びも一生懸命でした。私もそれがすごく楽しくて、働くってすごくいいなぁと感じました。 その後リクルートスタッフィングの派遣コーディネーターの仕事に変わりましたが、リクルート時代に「とらばーゆ」という女性向けの就職情報誌の編集をやっていた方が独立するというときに誘ってくださったので、その方の会社に転職して修業させていただいた後、編集者としてライターで独立しました。
リクルートでの仕事が人材系でしたから、ライターとしても人生そのものや、働く、学ぶ、成長というような領域でやってきました。そのうちにGCDFの資格を取得して、講演や研修の仕事を頂くようになったんですよね。それをやってみて改めて、一人一人の才能を伸ばすとか、素晴らしいところを一緒に見つけていくには、この職種だったんだ!と思うようになりました。そして現在まで、10年くらいトレーナー業をやらせていただいています。

---今年度は女性活躍推進の行動計画が実行フェーズになった年ですが、研修の現場で気づくことはありますか。

渡辺:labo_170306_03.jpg会社の業種や規模によって差があるという前提なのですが、ライフワークスの研修でお邪魔するような企業様だと、女性たちが「女性活躍」という言葉に違和感を持っていらっしゃるのかなと感じます。「なんで女性活躍なのか?男性活躍とは言わないですよね?」「女性は『マネージャーになる気あるの』って聞かれて、男性は『マネージャーになる気あるの』って聞かれないですよね。なんでですかね?」「もう、男性とか女性とか関係ないんじゃないですか?」そういった声をよく聞きます。

---働く女性たちは、女性だけが活躍するのではなく、みんなが活躍するという社会を望んでいるということでしょうか。

渡辺:そういう声は結構あります。確かに、女性だけの研修を実施した時に、「なんで?」という声は出ます。それでも「研修はやりたくない」とか、「良くなかった」という話は聞きません。それは研修の場で、互いに分かち合ったり励まし合ったりできて、他の人も同じ悩みを抱えてることが改めて分かるからです。特に女性が少ない職場ですと、近くに女性がいないということで自分を見失ってしまうことがあります。研修で他者と過ごすことで、自分はこのあたりでバランスを取ればいいということが見えてくるので、それだけでも価値のあることだと思います。もちろん、他の人の意見が参考になったり、ロールモデルに出会えたり。「自らがロールモデルになっていこう」という意欲につながるケースも多いですね。

---そういった、「バランスの取り方」のようなものが、女性が自分らしく働くことのコツでしょうか。

渡辺:そうかもしれませんね。私は「とらばーゆ」の編集者として、5年ぐらい集中的に女性活躍の記事を作っていた時代があります。女性活躍、今では「女活」なんて言いますが、その最初のフェーズのところでは、制度を充実させることが重点課題でした。その後で女性の管理職を増やそうとなり、今の状況へと変化してきました。
これまでにいろいろな女性に会っていますが、バランスを崩してしまうパターンのひとつは、「男性がつくってきたこれまでのビジネス社会のやり方通りに、男性のように頑張る」ケースではないかと思うのです。結果的に、健康を犠牲にしてしまう方もいらっしゃいます。 それから、今ちょうど30代前半位の、子育てと両立している方たちやそれを目前にしている方々によくあるケースは、「完璧にやろう」とか、「優等生でいよう」という想いが強くてパンクしてしまうことです。
女性全般に言えることかもしれませんが、自分で全部やろうと思うと、それはいつか限界を超えてしまいます。手をぬくこと、人に頼ることも大切なスキルです。
また、ストレスが掛かると思考が止まらなくなるのが女性の脳の特性とも言われます。あれこれ考え始めると最後はネガティブな方に引っ張られてしまうものです。そして、ネガティブに引っ張られていった最後の方で突然爆発すると、「どうしちゃったの?そんなに大変だったとは知らなかった」と周囲の人を驚かせてしまいます。爆発する前から言っておけば良いのですが、「私が我慢すればいい」とか「私がやればいい」という積み重ねが、そういうことに繋がるのだと思います。

---そういう状態にならない方法として、「アサーション」なども耳にしますが。

渡辺:コミュニケーション技法であるアサーションも大事ですね。その前段階の話として、自分の感情の面倒をみられるようになると、もう少し変わってくると思います。
私はマインドフルネスのトレーナーもやっていますが、自分の感情や身体の状況に気づく、感じるというセンサーは、瞑想で鍛えていくことが可能です。
今までのビジネス社会は、自分がどう感じるかということに蓋をしてきました。「感情的になるな」「感情を持ち込むな」というようなことを、言われたことがあると思います。でも人間ですから感情があって当たり前なのです。感情を持つことが悪だと蓋をして不感症になるのではなく、共感して自分の事、他者の事にどこまで気付けるかが大事になってきます。
マネジメントの在り方も変わってきていますから、上から型を押し付けるだけでは成り立たなくなっています。そこで、場の力を引き出しながらファシリテート的なマネジメントをしていく場合に、感じる力はとても大事です。でも、マネージャー本人が自分自身を感じられていないのに、他人の事なんて感じられるわけがないですよね。自分に共感するとか自分に感性を向けるといった身体的な活動は、勉強して知識としては学べるかもしれませんが、わかったからできるというものでもないのです。ですから、マインドフルネスの瞑想がこれだけ流行っているのは、瞑想という身体的なトレーニングを通して、共感性を身体から高めていくということができるから、ということもあります。

---渡辺トレーナーの「働きがい」について教えて下さい。

渡辺:「働きがい」をうまく表現するのは、ちょっと難しいですね。私はフリーで働いていることもあって、仕事とプライベートが分かれていないので、「生きがい」と言った方がしっくりきます。
人それぞれのすごいなと思えるところを見るのがとにかく楽しいです。先ほどの小学生の時の同級生もそうですし、研修等で気づきを得ている方たちを見るととにかく「すごい!」と思うので、その感動が喜びになります。同時に、人間だけではなくて、自然の摂理や宇宙の摂理と私たち人間とのつながりを見ていくと、そこにも感動があります。
最近では免疫について調べたことがあるのですが、「自己以外を排除するシステムを成り立たせるためには、自己とは何だというところにたどり着く」という言葉に出会いました。キャリアを考えるときに、自分自身の価値観を再確認して、自分はこんな人だと気づく、それとなんだか似ていませんか。

取材を終えて...
女性の脳はストレスが負のスパイラルに陥りがちという話でしたが、男性の脳はストレスから逃げる傾向にあるようです。その男女の脳の違いについては、思うところがありました。
今回の取材は、女性活躍についての考え方に、新たな視点をいただけるような機会にもなりました。

トレーナー紹介

渡辺 清乃「キャリア」には様々な解釈がありますが、私は「自分を活かして生きるプロセス」だと思っています。多様な人々が共存する社会・組織において、一人ひとりが自分を最大限に活かすことが全体のためになると感じています。

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