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キャリア開発ラボシニア世代のライフプランとマネープラン

2018年05月08日

  • コラム
  • ミドル・シニア
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こんにちは。ライフワークスの岩本です。
今回は、今年、処女作を上梓された高伊トレーナーに話しをうかがいました。

---まず、高伊トレーナーの略歴をお願いいたします。

高伊:大学卒業後、中央信託銀行(現・三井住友信託銀行)に入社し、企業年金業務や相続・遺言関連業務などを担当し、企業内ファイナンシャル・プランナー(FP)を務めました。2002年に53歳でFPとして独立し、03年には社会保険労務士を開業。現在は、終活や年金に関するセミナーの講師も行なっています。ライフワークスの研修では、ミドル・シニア向けのライフプランやマネープランを中心に担当しています。

---研修を担当しているミドル・シニアのこれからのキャリアのあり方についてどうお考えですか。

高伊:seminar_180427_01.jpg医療技術が進歩し、人間の寿命も日に日に延びて「人生100年時代」と言われている今、定年後の生き方として「働かない」という選択をするのは難しいと考えています。仮に、100年生きると考えると、定年後の40年あまりを貯金と年金だけで生活するのは現実的ではありません。実際に、2016年に行われた総務省の調査によると、高齢者無職世帯では、夫婦世帯で約5万5000円、単身世帯で約3万3000円の赤字が出ています。年金収入に加えて何かしらの収入がなければ、貯金を切り崩すばかりで最低限の日常生活費さえまかなうことができないかもしれません。
したがって、人生100年時代を生きるには、多くの場合が定年後も働く必要がある。このことをミドル・シニアの方々には認識していただきたいし、定年後も働くためにはどうすればいいかを考えていただきたいです。

働くための1つのキーワードは「健康」と言えるでしょう。いくら働きたくても体調がすぐれなければ働けないですよね。逆に、体調がよくて、働くことができていれば収入は得られます。特に、老後の人生においてお金をつくるには健康でなければなりません。そして、健康とお金の両方をつくるのが、「働く」ということだと私は考えています。
働くとなると、例えば、決まった時間に起きて、決まった時間に寝るというような規則正しい生活をおくることで自分の生産性を保とうとしますから、体のリズムを保つ、つまり健康を維持することができます。また、お金も入ってきますし、定期的に行く場所もあるし、働くことで誰かに喜んでもらうこともできる。これらによって、心身が充たされ、生きがいが出てくるのです。また、健康であれば余計なお金も出ていきません。これらの点から、私は、「働くことは最高の年金である」と考え、セミナーでもお話ししています。

---定年以降も働くためにはどうすればよいでしょうか?

高伊:一つ言えることとしては、自身のキャリアや人生の棚卸しをすることと、学び直しをすることは必須でしょう。定年まで勤め上げた場所から出て行って新たなキャリアを築いていくわけですから、「あなたは何ができますか?」と尋ねられたときに「できること」を自覚しておかなければなりません。「部長ができます」だけでは通用しないこともあるわけですから。

---どのようにして棚卸しをすればよいのでしょうか?

高伊:自らの「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」を整理すると良いと思います。自分は何をしたいのか、何ができるのか、世の中のニーズなどをふまえて何をやるべきか、ということを整理し、その上で自らの方向性を考えるのです。
この3つのものが重なる部分がポイントです。ミドル・シニアの方は、「Can」について意外と自分のことを狭く認識していらっしゃいます。でも、天井にある切れた蛍光灯を取り替えられない人にとって蛍光灯を取り替えてくれる人はありがたい存在であるように、自分ではなんでもないと思っていることも、棚卸しをしてみると「できること」がたくさんあることに気づくと思います。

そして、整理したことをもとに、次の仕事や社会やコミュニティで果たすべき役割を考えていくとよいでしょう。必要に応じて、学び直しをぜひしてほしいですね。学び直すことで新たな知識や技術が身につき、自らの商品価値が上がります。そうすれば、仕事の報酬が上がったり、報酬を引き続きもらえたりする可能性が高くなるでしょう。

---何を学び直すかは、どのように判断すればよいのでしょうか?

高伊:それは一人ひとりの経験や考え方によるところが大きいのですが、強いて言えば、自分が興味のあることを選ぶと学びやすいのではないでしょうか。興味がわくとどんどん勉強する気になりますから。もちろん、まったく新しいことに挑戦したい、ということでも構いません。

学び直すにしても、キャリアの方向性を探るにしても、一つ大きなヒントになるのは、「働く前にやっていたこと/やりたかったこと」です。具体的には子供や学生のころにやっていたことや、やりたかったことです。働き始めてできなくなってしまったり、実現しなかったりしたものが誰にでも一つや二つあると思います。それが、これからやりたいことの一つになるかもしれません。

---ほかにも、定年後のキャリアを見据えて意識すべきことはありますか?

高伊:今のうちから自分のことを応援してくれる仲間を社外に増やしておくことですね。というのは、社外にいる仲間こそが、会社を辞めて社外に出ていったときに仕事を依頼してくれたり、自分の代わりに営業してくれたりしますから。社内の人脈は、たいていの場合、会社を辞めると切れてしまいます。私自身、銀行を辞めて独立してからは営業をしたことがないんです。資格取得のための勉強をしたときの講師の方や友人知人など、社外の人脈からお客様や仕事を紹介していただいたり、逆に私から紹介したりする中で仕事が広がっていきました。皆さんもぜひ、退職後のキャリアを意識して、社外の人脈を広げて行っていただきたいです。

---一方、キャリアにおける「お金」について考えるためには、今からどんなことに取り組めばよいでしょうか?

高伊:seminar_180427_03.jpg今すぐにでも取り組んでほしいのは、マネープランを立てることですね。マネー関連の書籍などに掲載されているマネープラン表を埋める形で、100歳まで生きるとしたときに出ていくお金と入ってくるお金を試算するのです。給料、賞与と退職金、年金が毎年いくらずつ入ってくるのか、生活費はいくらくらい出ていくのか、退職から年金支給までの収入のない期間がどのくらいあるのか...といったことを把握してください。必要な数字を把握していくと、足りるのか足りないのかがわかります。その際に気をつけてほしいのは、ご家族がいらっしゃる方は、自分一人でではなく夫婦ないし家族全体で収支を試算することです。
ほかには、これまで貯蓄をしたことがない人やそれが習慣になっていない人は、定期的に貯蓄する仕組みなどを利用してみることをお勧めします。

---ライフプランやマネープランを考えるための書籍『定年を楽園にする仕事とお金の話--45歳からそなえる「幸せ老後」のキホン』(ぱる出版)を上梓されました。この書籍をとおしてどのようなことを伝えたいとお考えでしょうか。

高伊:この本では、今日お話ししたような、豊かな人生・老後を送るためのキャリアとお金の考え方を丁寧に説明しています。例えば、定年後も働く場合の選択肢を一つずつ検証したり、マネープラン表の作り方を解説したりしています。これらの内容をとおして私が伝えたいのは、働く人生をポジティブにとらえてほしいということ。「終活」という言葉がありますが、私はいつも自分のセミナーで「終活」で大事なのは「終」の方ではなく「活」の方だ、という話をしています。ぜひ人生の後半も健康にイキイキと過ごすために、これからのキャリアとマネーについて考えていただきたいです。


高伊TRによる著書
定年を楽園にする仕事とお金の話--45歳からそなえる「幸せ老後」のキホン』ぱる出版、2018年

トレーナー紹介

高伊 茂参加されたお一人おひとりが自分自身の強みを再発見され、ライフプランの大切さを理解していただけるように努めています。

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