女性活用ではなく、女性活躍が必要であるたった1つの理由

超少子高齢化時代に突入し、今後、日本の労働人口は減少の一途です。これからの日本の成長において、今まで十分に活かせていなかった女性労働力に期待が寄せられています。アベノミクスの第3の矢である日本再興戦略では、女性のM字カーブの緩和、2020年までに25~44歳の女性の就業率を73%に引き上げるなど目標が挙げられています。

2013.11.28
コラム

なぜ、女性活躍推進なのか

女性"活用"ではなく、女性の"活躍"が必要とされるシンプルな理由は、
就業率を高めても、女性の労働人口も減る からです。

日本における労働人口の減少は、当たり前のことですが、男性に限った話ではありません。女性の就業者数も当然のように減少します。例えば、25~44歳の女性人口は、2020年には1390.7万人になると予測されています。2020年に女性就業率目標73%を達成したとして、25~44歳の就業者数は1015万人です。2012年の1133万人より少ない数です。

25~44歳の就業者数

国が予算をかけて待機児童ゼロを目指すなどして女性の就業率を高めても、企業が制度を充実させて女性の雇用を確保しても、労働人口<量>は減少します。女性が活躍して成果を出す<質>向上の施策がなければ、日本や企業は成長できません。

女性の就業率自体は上昇していますが、その背景には晩婚・未婚、非正規雇用の拡大といった問題があるようです。三菱UFJリサーチ&コンサルティング『期待が高まる女性労働力 』で詳細にレポートされています。

女性はメンバー志向

では、"活躍"に対する女性の意識はどうか?日本能率協会グループ『第 1 回「ビジネスパーソン 1000 人調査」働き方に関する意識』では以下のような結果が出ています。

女性ビジネスパーソンは、「成功を支えるメンバー」(81.1%)を志向する比率が高く、「成功を導くリーダー」(18.9%)は 2 割未満にとどまる。
働き方は「仕事内容」(41.7%)よりも「職場環境」(58.3%)を重視。

2割のリーダー志向の女性に活躍の場を提供するなどして後押しをするのに加えて、残り8割のなかからリーダー志向の女性を増やしていくことが課題と言えそうです。

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