キャリア面談とは?目的や進め方、成功のためのポイントを解説
キャリア面談は、社員一人ひとりに気づきをあたえ、主体的にキャリア形成ができるように支援するための方法として注目が集まる施策のひとつです。キャリア面談の担い手は上司ですが、対応できていないという課題を耳にします。
今回は、キャリア面談の概要や効果、面談の進め方、キャリア面談を成功させるためのポイント、上司が押さえておくべきポイントなどを解説します。

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効果的なキャリア面談を実施するためのポイントを解説します。
キャリア面談の導入を検討中の方や、現在実施中で改善を求めている方に特におすすめです。有効なアドバイスを得たい方は、ぜひ本資料をご覧ください!
1.キャリア面談とは
キャリア面談とは、社員の中長期的なキャリア形成とその実現に向けて話し合い、自律的な成長を促進する貴重な機会です。面談では社員に気づきを促し、自身が課題を認識して受け止めることを支援します。解決策を与えるのではなく考えを引き出すことで、その実現に向けた支援につなげます。
テレワーク導入など、急速に働き方が変わったことで、社員一人ひとりがキャリア自律するための意識醸成の重要性が以前に増して高まっています(国土交通省「令和6年度 テレワーク人口実態調査」調査:2024年10月、結)。また、人事制度改革だけではなく、その実効性を高めるために、組織の風土醸成や社員の意識改革を進める企業が増えてきました。こうしたことが背景・理由となり、それらを進める方法の一つとして、キャリア面談が注目されています。
ところが、実際にキャリア面談をキャリア支援の施策の一つとして実施している企業はそれほど多くありません。職場において多くの場合、キャリアの相談は上司が受けているという調査結果があります(厚労省「令和6年度 能力開発基本調査」結果公表:2025/6/27)。しかし、テレワークを導入する企業が増えつつある今日では、上司が部下一人ひとりの状況を以前より把握しにくくなっている場合があります。メンバーにとって上司は身近な存在ですが、現場任せだけでは社員のキャリア開発の支援は困難といえるかもしれません。
キャリア面談のメリットは、個人がキャリアの明確なイメージを持つことで、長期的な目標に向けた行動につなげやすいことです。また、そうした社員が増えることで、企業の生産性の向上が期待されます。
そこで、このコラムでは、企業が上司によるキャリア面談を活用し、社員のキャリア開発と生産性向上につなげるための具体的なポイントについてご紹介します。
【参考資料】上司と部下のキャリア面談を成功させるポイント(面談サンプルシート付)
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2.キャリア面談が必要とされる背景
かつての日本企業では、終身雇用や年功序列を前提に、キャリアとは社内で昇進していくことを指していました。そのため、社員のキャリア形成は会社が用意した道筋に沿って進む「会社主導」の色合いが強かったと言えます。
しかし近年は、雇用や働き方の価値観が多様化し、社員一人ひとりが自分のキャリアを主体的に考える必要が高まっています。それに伴い、企業の役割も「会社がキャリアを決める」から「個人の意思や適性を踏まえてキャリア形成を支援する」方向へと変化しました。
こうした流れの中で、本人の志向や強み、将来の希望を定期的に言語化し、組織としての配置・育成とすり合わせる場として、キャリア面談の重要性が高まっています。
1)キャリア自律への関心が高まっている
キャリア自律への関心は高まっているものの、企業側の取り組みは約3割にとどまっており、意識と支援の間にギャップが生まれています。
従業員には主体的に学び、経験を積みながら成長していく姿勢が求められる一方で、企業にもその成長を後押しする仕組みづくりが欠かせません。
こうした状況のなかで、本人の志向や強み、目指す方向性を整理し、必要な経験や学びにつなげる場としてキャリア面談は有効な施策といえます。
2)人材の活躍推進
人材の活躍を推進するには、単に制度や目標を示すだけでなく、本人の意欲を引き出すための「意識変革」を促す支援が欠かせません。
その点でキャリア面談は、これまでの経験を振り返りながら強みや価値観を再確認し、次の挑戦に踏み出すきっかけをつくる有効な機会になります。
面談を通じて挑戦を具体化し、行動につながる目標設定や支援策へ落とし込むことで、実際に高い行動変容効果が得られています。
3.キャリア面談の目的
企業はなぜ、キャリア面談を実施するのでしょうか。
ここでは、キャリア面談の3つの目的について、それぞれご説明します。

1)社員の課題や悩みを明確にする
社員の中長期的なキャリア形成に向けた課題や悩みを明確にすることは、キャリア面談の目的のひとつです。キャリア面談を重ねることによって、社員一人ひとりのスキルアップやキャリアアップのための土台が見えてくるでしょう。
2)社員に気づきを促し、叶えたい目標やイメージを把握する
社員一人ひとりが持つキャリアに関する目標やイメージを把握することも、キャリア面談の目的として挙げられます。キャリア面談を通して社員の叶えたい目標を把握できれば、その達成のために必要なステップも明確になり、社員のモチベーション向上にもつなげられるでしょう。
3)社員の成長を促す
キャリア面談を定期的に実施すると、上長も社員本人の意向を把握できるようになります。会社や所属部署の方針のなかでその社員の意向に合う仕事の機会があった場合に、意図的にチャンスを付与しやすくなるでしょう。本人の経験値を上げつつ、成長を促すことができます。
4)企業と社員のミスマッチ解消
企業と社員のミスマッチを解消するには、企業側が求める役割や方向性と、従業員が描くキャリアビジョンを丁寧にすり合わせることが欠かせません。
キャリア面談は、その認識のズレを早期に把握し、双方が納得できる形で方向性を整えるための有効な場です。
会社としては事業成長に必要な人材配置・育成を進めつつ、個人の志向や強み、将来の希望を踏まえて成長機会を設計することが求められます。
こうしたすり合わせを継続的に行うことで、離職リスクの低減だけでなく、組織の成果最大化にもつながります。
4.キャリア面談で得られる効果
キャリア面談を実施することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、キャリア面談で得られる代表的な3つの効果について、それぞれ説明します。
1)社員の自律的な成長が促進されることで、モチベーションアップにつながる
キャリア面談によって社員が自身の強みやスキルを自覚し、ありたい姿に向けた課題解決のために必要なステップを把握できれば自律的な成長が促され、モチベーションアップにつながります。上長からの指示を待つだけでなく、自ら考えて動くことのできる人材を育てられるでしょう。
2)積極的なキャリア支援で離職率の低下につながる
キャリア面談を行うことは、離職率の低下にもつながります。
キャリア面談の実施は、社員一人ひとりの意向を尊重してキャリア構築を支援する環境があることの証でもあります。そうした企業のスタンスが企業への信頼へとつながり、その企業に所属し続ける意義にもなるため、結果的に離職率を減らすことができるのです。
3)優秀な人材が活躍し続ける組織を創ることができれば、生産性の向上が期待できる
キャリア面談を定期的に実施し、キャリアに関するイメージを持って主体的に動ける社員が増えることで、企業の生産性向上を期待できます。事業の成長や業績アップにもつなげられるでしょう。
5.上司によるキャリア面談の進め方
1)面談の準備をする
面談を受ける人は、当日スムーズに話せるように、仕事上の課題や今後の展望を事前に整理しておくことが大切です。その際は、キャリアシートを用意すると効果的です。
キャリアシートとは、経歴や強み、スキル、理想のキャリアなどを整理する資料で、主な記入項目は「経歴」「得意分野」「保有・習得希望スキル」「理想像」「課題」などが挙げられます。
面談前に内容を見直しておくことで、面談では目標やニーズに合わせた質問や相談がしやすくなります。
また、可能であれば相談したい内容を上司に事前共有しておくと、面談の質が高まります。キャリアを考えることに慣れていない場合は、面談前にキャリア研修を実施するなど、考え方を学びつつ自己の棚卸しを進める機会を設けるとよいでしょう。
2)面談の実施
30分~1時間程度の面談時間を確保します。できれば自席と少し離れた個室で、面談を受ける人が安心して自分のことを話せるような環境づくりに心がけましょう。また、上司は面談開始からいきなり本題に入るのではなく、その場を和ませるような対話から入ることをおすすめします。
3)フォローアップ
面談を受けた人が面談を通して持ったキャリア形成のイメージや目標、今後の行動計画を実現できるように、面談の後に、上司は直接フォローアップすることが重要です。目を配るべき部下が多い場合は、第三者(メンターやキャリアカウンセラーなど)の支援を活用しながらフォローアップを行う方法もあります。
・フィードバックの実施
キャリア面談後は、内容の振り返りとフィードバックを行い、課題や合意したアクションプランをあらためて共有します。
面談で話したことを言語化して整理することで、本人の納得感と実行意欲が高まり、行動に移しやすくなります。
あわせて次回面談の日程・目的をすり合わせておくと、継続的にフォローできる体制が整い、支援が一過性で終わりにくくなります。
・面談の実施
キャリア面談は一度きりではなく、定期的に実施することで効果が高まります。
半年や1年ごとに一定の間隔で振り返りと目標設定を行えば、本人の成長段階に合わせた支援ができ、主体的に行動する意識も育ちます。
さらに、取り組みの進捗や成果を確認しながら必要なフォローを続けることで、意欲の維持・向上にもつながります。
こうした面談を継続することは、個人の成長を後押しするだけでなく、組織の活性化にも貢献します。
6.キャリア面談を行う上司がおさえておきたいポイント
キャリア面談を行う上で、上司の方がおさえておきたい3つのポイントをご紹介します。人事部門の方がキャリア面談の導入を検討される場合にもぜひ押さえておいてください。

1)上司自身がキャリア形成のイメージを持つ
そもそも上司が自身のキャリアについて考えたことがない場合、部下のキャリアを一緒に考えるのは困難です。そのため、上司がキャリアを考える意義を理解し、自身のキャリア形成のイメージを持てるようにしておくことが求められます。
2)上司が部下のキャリア形成支援の役割と重要性を理解する
部下のキャリア形成の支援者として、上司の役割が重要であることを明確化し、それを上司が理解することが重要です。もし、上司の役割を短期的な業績向上への貢献だと捉えているのであれば、部下のキャリア支援への配慮がおろそかになる懸念があります。
3)キャリア面談の方法やスキルを習得する
部下のキャリア支援施策としてのキャリア面談の意義や具体的な方法について、上司に資料などを用いて情報提供したり、面談のロールプレイングができるような機会を設けたりすると良いでしょう。上司が自身の役割などを十分に心得た上で、評価面談とキャリア面談の違いについての理解を促します。
7.キャリア面談で取り上げるべきテーマ
キャリア面談を実りある時間にするためには、事前に「何を話すか」を明確にしておくことが欠かせません。
テーマが曖昧なままだと、雑談で終わったり、課題の整理や次の行動につながりにくくなります。
そこで本章では、キャリア面談で優先して取り上げたい主要テーマを3つに整理して紹介します。
1)業務経験の振り返り
まずは、これまで取り組んできた業務経験を丁寧に振り返りましょう。
成功した場面だけでなく、うまくいかなかった経験も含めて整理することで、自分の得意・不得意や仕事の進め方の傾向が見えてきます。
どんなときにやりがいを感じたか、何にストレスを感じやすいかといった視点で振り返ると、価値観や強みも明確になります。
このプロセスが、今後の方向性を考えるうえでの自己分析の土台になります。
2)内的キャリアを掘り下げる
キャリア面談では、「◯◯職に異動したい」といった外的な目標だけでなく、内的キャリアにも目を向けることが重要です。
例えば「どんな瞬間に喜びや達成感を感じるのか」「何をしていると時間を忘れて没頭できるのか」を掘り下げることで、自分にとっての仕事の意味や大切にしたい価値観が見えてきます。
内的な動機が明確になると、今の業務の中でも活かせる要素が見つかりやすくなり、日々の仕事とキャリアの方向性を結びつけやすくなります。
3)キャリアビジョン
キャリア面談では、将来どのような姿を目指すのか、どんなスキルを身につけたいのかを中長期の視点で整理します。
目標を言語化しておくことで、日々の業務で意識すべき成長テーマや必要な経験が明確になります。
あわせて、会社の方針や期待役割と本人の志向をすり合わせることで、無理のないキャリア形成が可能になり、企業と個人の双方にとってメリットのある関係を築きやすくなります。
8.キャリア面談を成功に導くための方法とポイント
上司がキャリア面談を行う時に最も忘れてはならないのは、キャリア面談の主役はあくまでも部下だということです。そこを理解しつつも、実際にキャリア面談を行う際には次のようなコツもおさえておく必要があります。なぜなら、適切な対応をすることが、面談の場で上司と部下が信頼関係を築くことにつながるからです。
1)姿勢・態度
最も重要なことは部下の話を傾聴することです。質問攻めにしてしまうと、部下が困ってしまうこともあります。また、相槌を打つだけではなく、相手の話に興味を持つことやその姿勢を示すことも大切です。そのほかに、腕を組んだり、足を組んだり、部下が高圧的と感じてしまうような態度をとらないような注意が必要です。
2)問いかけ・対話の方法
面談の対話の中からわかってきた状況を言語化し、部下に投げかけるような質問をします。部下の置かれている状況を言語化して共有すると、本人の気づきにつながることがあります。対話の中で気になるキーワードが出てきた際には、少し掘り下げていくことも重要です。また、対話では、部下が振り返りの中で話した内容について、「それはあなたが原因では?」というような問いは避けます。
3)解決策の検討
部下のキャリアの課題が明確になっても、それを解決するような提案にはすぐ移らないようにします。また、上司は自らの成功体験による解決策を示さないようにして、面談の中では、部下自身が課題を受け止めて、自らどう進むのか、進みたいかを見出す役割に徹することがポイントです。
4)主体的に計画を立てられるようサポート
面談後は、話し合った方向性や目標を「具体的に何を、いつまでに、どう進めるか」という行動計画に落とし込み、部下が主体的に実行できるよう支援します。
このとき上司が答えを提示して主導するのではなく、面談で得られた気づきや本人の言葉をもとに、計画を一緒に整理する姿勢が大切です。
例えば、「まず何から始めたい?」「次の1カ月で試せそうな行動は?」「進めるうえで不安や障壁になりそうなことは?」といった問いかけで思考を促し、本人が納得して選べる形に整えます。
必要に応じて、負担感が大きい場合は小さなステップに分け、定期的な振り返りの場も設けて、無理なく継続できる実行体制をつくりましょう。
5)専門性が必要なときの対応
本人の病気や疾患、親の介護、マネープランに関連する課題といったように、課題解決のために専門的な支援が必要な場合は、無理にその場で解決しようとせず、人事部に相談することが望ましいといえます。
多くの職場で、上司がキャリア面談を行うケースが多いことは先にご紹介した通りです。昨今、上司にはさまざまな役割が期待されがちなため、日頃の業務の忙しさなどを理由に、定期的なキャリア面談の実施自体に無理が生じてしまうこともあるかもしれません。
また、上司と部下の日ごろのコミュニケーション自体が不足しており、キャリアの相談自体が難しい場合もあります。キャリア自律支援の施策としてキャリア面談を自社に導入しようとする企業の人事部門は、このようなことも念頭に置きながら、キャリア面談の仕組みを設計することも重要だといえるでしょう。
【事例1】「ヤフー株式会社の事例」
市場競争の激化や働き方の変化を背景に、ヤフー株式会社がさらに成長していくためには、社員の「主体的な成長やキャリア開発」を人事の大きなテーマの一つと捉え、そこに向けた人事施策として、「キャリアステージ別研修」と、管理職向けの「部下とのキャリア面談支援研修」を導入した事例です。個々人が自身のキャリアに向き合い、上司も部下のキャリア支援を行うことを、有機的に機能できるようになった機会となりました。
【関連情報】「管理職向け部下とのキャリア面談支援研修」
株式会社ライフワークスでは、上司による従業員へのキャリア面談に課題を抱えている企業に向けたキャリア面談支援研修を行っています。詳細にご関心のある方は、こちらをご覧ください。
【事例2】「メーカーB社の事例」
競争環境の変化に対応するべく、人事制度を再体系化したB社で、人材育成・登用の流れを生きたものにするために上司と部下によるキャリア面談を導入し、管理職向け研修を行った事例です。「部下に対するキャリア支援の必要性」、「キャリア面談の意義」、「キャリア面談の進め方」に対する上司の理解が深まり、さらに管理職自身のマネジメントスタイルを見直す機会にもなりました。
【関連情報】「キャリア自律とは。キャリア自律が求められる理由、企業における課題と推進方法。」
キャリア面談も含め、企業がキャリア自律を推進する方法などを簡単に紹介しているコラムです。キャリア自律そのものにもご関心がある方は参考にしてください。
9.おわりに ~キャリア面談のさらなる可能性となる事例
キャリア面談には、社員一人ひとりのキャリア形成支援のほかにも、設計次第では以下の活用の可能性があります。具体的な事例とあわせてご紹介します。
1)シニア人材の活用
シニア人材の中には、さまざまな経験を積み、キャリアの課題を乗り越えてきた人も多くいます。そうした人材を募り、社内のキャリアコンサルタントとして育成し、キャリア相談の役割を担ってもらう方法が考えられます。こうしたアドバイザーが、上司だけではカバーしきれない部分を補える可能性があります。また、結果的にシニア人材の職域開発につながることも期待できます。
【事例3】「ジュピターテレコムのシニア人材活躍事例」
2019年に社内のキャリアコンサルタントによる社員のキャリア形成支援の制度を構築したジュピターテレコム。シニア人材もキャリアコンサルタントとして育成し、制度運営の主翼として活用しています。
2)組織全体での仕組みづくりへの活用
キャリア面談を通じて明確になったキャリアの課題を基にして、組織全体としてその課題を解決するための仕組みづくりに発展させることもできます。課題を抽出するにあたり、全社員をキャリア面談の対象とすれば最も広く自社のキャリアの課題を捉えることができますが、キャリア面談を実施するリソースが不足する場合には、社員の中からサンプリングした対象のみにキャリア面談を行うことも有効です。
また、あらかじめキャリアの課題を明確化するための質問を決めた上で面談を設計し、結果を分析することで、自社の社員のキャリアの課題の傾向がつかみやすくなることもあります。
以上のような活用をする前提としては、自社にとってのキャリア自律の意義を明確にし、言語化しておくことが重要です。
キャリア面談に取り組み始め、面談を担うキャリア支援室を設置し、人事と連携して進めることは、セルフ・キャリアドックのように体系的なキャリア自律支援の仕組みへと至る可能性を持っています。そのことも視野に入れつつ、段階的かつ組織的に社員のキャリア自律を推進できる、実行力のある仕組みを作り上げていくことは、いずれ活力にあふれた企業をつくることにつながっていくのではないでしょうか。
【関連情報】「サントリーのセルフ・キャリアドックの事例」
サントリーホールディングスでキャリア支援室の設立と運営に取り組まれた山田昇氏に登壇いただいた講演の資料です。同社でのキャリア自律支援の仕組みづくりの事例としてご確認ください。講演ではセルフ・キャリアドックの導入のポイントなどについてもお話しいただいています。詳細にご関心のある方は、こちらをご覧ください。
10.よくある質問
ここでは、キャリア面談についてよくある質問とその回答をまとめました。
1)キャリア面談で何をするのでしょうか?
キャリア面談では社員の中長期的なキャリア形成とその実現に向けて話し合い、自律的な成長を促します。面談では社員に気づきを促し、自ら課題を認識し、受け止められるように支援します。
また、面談を受けた社員がキャリア形成のイメージや目標、達成のための行動計画を実現できるように、面談後は上司がフォローアップを行います。
2)キャリア面談の注意点は?
上司がキャリア面談を行う際に最も重要なのは、面談の主役はあくまでも面談を受ける社員本人ということです。本人の話を傾聴し、質問攻めにしないように注意しましょう。
また、面談中は相手の話に興味を持ち、部下の置かれている状況を言語化し、共有することも重要です。
3)キャリア面談の目的は何ですか?
キャリア面談の目的は「社員のキャリア形成の支援」です。「ありたい姿の共有と具体化」、「組織の意向、期待のすり合わせ」「成長プロセスのアドバイス」などの内容を話します。中長期の視点で、メンバーの成長と組織貢献のために対話をする場となります。
11.キャリア面談を定期的に実施しよう
キャリア面談は、社員の自律的な成長を後押しし、結果として企業の発展にもつながる重要な取り組みです。
単発で終わらせず定期的に実施することで、悩みや目標の変化を捉えやすくなり、継続的な支援が可能になります。
そのためには、評価の場ではなく「安心して本音を話せる対話の場」を整えることが欠かせません。
上司が傾聴を軸に関わり、問いかけを通じて内発的な気づきを引き出せれば、面談は具体的な行動につながる有意義な時間になります。
本記事で紹介したポイントを参考に、キャリア面談を組織の成長につながる仕組みとして定着させていきましょう。

