キャリア研修の現場から見えた、大手企業に勤めるミドル・シニア人材の4つの魅力

シニア人材の活用にどのような方針で臨めばよいのか悩む企業の人事の方も多いことかと思います。特にシニア人材が人口ボリュームゾーンとなる大手企業の場合、ポストレスへの対応も課題となってくるでしょう。そこで、当社のコンサルタントが日頃キャリア開発のご支援をすることが多い大手企業のシニア人材の特徴とその魅力についてお伝えします。シニア人材活用のヒントにしてみてください。

2014.09.26
コラム

こんにちは、コンサルタントの野木です。

日々、大手企業のミドル・シニア社員の方向けのキャリア研修に立ち合っていると、「営業一筋で自分には何も専門性が無い。」「自分は、狭い分野の研究開発一本で他には何も無い。」というような発言を、研修開始時によく耳にします。

しかし、たくさんの研修を見ていると、いやいや大手企業で勤め上げた人材は"十分に魅力的"ということを、研修後には必ず実感しております。今回は、そのことを分かり易くお伝えしたいと思います。

・人としての魅力
・体系的かつ幅広い教育研修で得た高ビジネス知識・基礎力
・組織での豊富な経験
・多様なビジネス経験
もちろん他にもたくさんありますが、大括りするとこの辺りが特徴かと思います。

大手企業人材の4つの魅力

1.人としての魅力

人柄の良さ、礼儀正しさと信頼感。また、多様な組織、部署を経験しているのでバランス感覚が優れている方が多いように感じます。一言で言うと、"この人なら大丈夫、任せられる"という安心感があります。

2.体系的かつ幅広い教育研修で得た高ビジネス知識・基礎力

日本の大手企業は、新入社員教育から階層別研修、さらにはリーダーシップ研修、役員研修と教育・研修体系がしっかり構築されております。
加えて、課題解決・ロジカルシンキング・プレゼンテーション・ファシリテーションといったスキル系研修、財務・マーケティング・事業戦略といった経営向け研修、そして最近は、集中した語学研修にグローバル研修と非常に多彩です。これだけの教育研修を受け、ビジネススキル・マインドがセットされた人材は中堅・中小企業にはなかなかいない稀有な人材です。

3.組織での豊富な経験

整備された組織環境での経験、各種規定・規則・監査体制の中でのビジネス経験、権限委譲や報告体制が整えられた中での経験。さらに少数から100名を超える部署に所属、もしくはマネジメントしてきた経験も、到底他では得られないものです。
環境、組織、仕事の進め方・ルールを整えることは、生産性を上げ、業務を効率化し、個々のチベーションを上げる上でとても重要なことで、自分が実際に経験したことを再現すればいいというのは、なかなか持ち得ない経験かと思います。

4.多様なビジネス経験

例えば、メーカーであれば製造から販売まで、商社であればバリューチェーンの川上から川下まで。部門を超えての協同作業、関連会社を巻き込んだ事業投資、アライアンス企業との連携、大口取引先とのパートナーシップなど多様なビジネス形態を経験しています。さらに、新規事業の立ち上げ、事業清算など、当事者にとっては大変辛い経験だったでしょうが、グローバル競争の激しい今、新たな事業を展開をしていく状況・局面も多く、これから大いに活かせる経験です。

キャリア研修で自信を取り戻して欲しい

キャリア研修の中では、自分史を振返りながら、これらのことをシートに書き記し、グループ内で発表・共有していきます。
研修開始時は、「営業一筋で自分には何も専門性が無い。」「自分は、狭い分野の研究開発一本で他には何も無い。」というような方が、今まで培ってきた経験の中から、上記のようなことに自ら気づかれて自信を取り戻していく様子は、研修をお手伝いできて良かったと思える瞬間です。

これからキャリア研修のピーク、秋冬のシーズンを迎えますが、コンサルタントとして、一人でも多くの受講生に自分の良さに気づいてもらいたいと願っています。

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