マネジメント能力とは?必要なスキルや能力向上のポイントを解説

働き方や働く人の価値観が多様化し、ダイバーシティが重視される時代。社員の多様な個性を尊重しながら、一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮できる集団をつくりあげるために、上司や管理職のマネジメント能力が重要視されています。部下が直面している悩みや課題を理解しながら効果的な支援をおこない、企業の目標達成へ導くにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。
この記事では、上司・管理職が部下を牽引するうえで必要な4つのマネジメントスキルと、能力を高めるためのポイントをご紹介します。

2021.11.22
コラム

マネジメント能力の重要性

ビジネスにおける「マネジメント」とは、個人の能力を引き出し、企業が組織として成果を上げるための効果的な手段を意味します。具体的には、社員一人ひとりの能力や知識、特性、強みを活かしながら自律を促し、組織が掲げる目標達成に向けて管理・運営することを指します。

マネジメント能力は、効果的な組織運営をおこなうために必要なスキルです。上司や管理職のマネジメントが成功するかしないかは、組織のパフォーマンスを大きく左右するともいわれています。

上司のマネジメント能力が不足している場合、企業のビジョンや目標達成に向けた戦略への認識が共有できず、社員のモチベーションが低下しがちです。また、部下の会社に対する不満・ストレスは、人材の流出や生産性の低下といったネガティブな結果を招く可能性が高く、マネジメントが機能していない組織は大きな成果を出しにくいといえます。

このような組織課題を解決・改善につなげるには、まずは企業がマネジメント能力の重要性を認識することが大切です。そのうえで、必要に応じて上司や管理職のマネジメント能力を強化するためのサポートをおこなう必要があるでしょう。

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マネジメントに必要な4つのスキルとは?

マネジメントとは、社員一人ひとりのスキルや強みを活かしながら、個々の自己実現に向けた経験を積み上げられるような人材配置や指導をおこなっていくことであり、それらを通して組織の目標を達成することです。

マネジメントに必要なスキルには主に以下の4つが挙げられます。

問題や課題を発見し解決するスキル

部下の業務の現状を把握・分析し、目標達成に障害となる問題や課題を発見するスキル。
仮に業務上のトラブルが起こっても、問題解決のスキルが高ければ論理的かつ冷静に解決へ導くことができます。そのためには日頃から周囲を観察する習慣を身につけ、洞察力を高めることが大切です。

目標設定・意思決定のスキル

目指すべき方向性や目標を決定し、それに向かうための環境や体制を整備するスキル。
部下がモチベーションを維持しやすい明確な目標を設定することがポイントです。また、ロジカルシンキングを活用し、自身の明確な判断軸や強い意志を持ちながらも、あらゆるケースに対応できるような柔軟性が必要です。

コミュニケーションスキル

職場で起こるさまざまな問題やトラブルを解決するために重要なスキル。
組織が一丸となって目標に向かうには、部下との円滑な関係を築くことが不可欠です。上司には、部下の立場や置かれている状況をふまえながら、悩みや課題を引き出し改善方法を一緒に見出すという能力が求められます。日頃から相手の価値観を大切にした言動を心がけ、良好な関係を築いておくことがポイントです。

人材育成・キャリア面談のスキル

社員の定着や企業の生産性向上にもつなげていけるスキル。
企業の目標を達成するためには、短期的な目標達成とあわせて、長期的な目線も持ちながら、適材適所で人材を活用することが欠かせません。部下の価値観や長期的なキャリアビジョンを理解しながら、潜在的な能力を最大限に引き出す関わりができれば、よりよい組織風土を醸成できるでしょう。

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マネジメント能力向上のポイントとは?

第一に、企業は「問題が生じない組織はない」ということをふまえる必要があります。そのうえで、上司や管理職がマネジメント能力を発揮し、よりよい解決へ早期に導けるような環境整備が求められます。

上司や管理職のマネジメント能力を高めるポイントのひとつは、マネジメントスキル向上のための教育プログラムや研修を企業が定期的に提供することです。

上司・管理職には組織管理をするための教育だけではなく、部下のキャリア開発をサポートし、後押ししていく重要性もあわせて伝えることが大切です。そのためには、まずは上司・管理職が自身のキャリアを考えることも必要になるでしょう。
部下が自身のキャリアを考え、上司・管理職とすり合わせできるような仕組みづくりも重要です。

同時に、マネジメントには組織全体で成果を上げる視点も取り入れるべきです。上司と部下が「ともに成長する」という共通認識を持ち、互いの価値観を共有できる関係性を築いていくとよいでしょう。

以下は、若手社員向け・管理職向けのキャリア研修を同時に実施した事例です。若手社員にとってはキャリアを前向きに考える機会に、管理職にとっては部下との関わりを見直す機会になり、若手社員・管理職双方のキャリア自律意識が向上しました。
若手社員向けキャリア自律意識向上の研修と同時に、管理職のキャリア支援意識醸成のための研修を実施。
また、最近は再雇用を見据え、シニア社員をマネジメントする機会も増えています。以下は、シニア社員のキャリア自律意識と職場貢献意欲を高めるための取り組み事例です。研修から3カ月後の評価で行動変容が見られ、研修や面談による意識づけの効果が得られました。
再雇用後の活躍を見据え、上司を巻き込み定年前社員のキャリア自律意識や職場への貢献意欲を高める施策を実施

まとめ

ビジネスにおけるマネジメント能力を強化するには、上司・管理職がマネジメントの重要性を認識したうえで、マネジメントスキルの向上に努めることが重要です。企業はマネジメント能力・スキルを向上させる研修プログラムを導入するなどして、社員一人ひとりの活躍が組織の成長や目標達成につながることを上司や管理職に深く理解してもらう必要があります。

多様な働き方や価値観を前提としたマネジメント能力。それは、個々の強みを引き出すとともに社内の信頼関係を強固にし、働きがいのある最適な職場づくりの実現につながるでしょう。

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この記事の編集担当

黄瀬 真理

黄瀬 真理

大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。

国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定

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