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30代のキャリアとキャリア開発

30代は仕事でもプライベートでも様々な役割が増え、責任も増してくる世代です。仕事についてはまだまだ可能性が広がっているにも関わらず、キャリアについての悩みや課題によって、キャリア形成がうまくいかないことも。このコラムでは30代のキャリアの課題とその解決の方向性をお伝えします。

2019.06.04
コラム

30代のキャリアの背景

30代は、組織内でのキャリアを経て、ある程度実力がついてきている世代のため、組織から様々な期待・役割を付与されることも多くなります。
他方で、結婚などのライフイベントを経ることで、仕事だけではなく家庭での役割も担うようになります。とりわけ、今日では、育児に男性が関わる機会も増えており、男性と女性では仕事と家庭の役割を担う度合いの差が少しずつ縮まりつつあるようです。

このように、役割に広がりが見られてくる30代は、自分のキャリアについて守りに入る時期の手前に位置づけられています。つまり、積極的に考えればキャリアに関する将来の可能性はまだ広がっていると捉えることができます。他方で、30代はキャリアに対して「焦燥感」や「無力感」を感じてしまうこともあるとされています。
あるいは、仕事に限っていえば、組織からの期待や役割の方が強く影響することで、自分のキャリアの視界が悪くなった状態になり、 本当に自分は何がやりたいのかを見失いがちなのが30代だと捉えることもできます。

30代のキャリアの課題や悩み

30代は、焦りなどがあるからか、現状のキャリアに対してもどかしさを感じがちです。例えば、「今の状況が変えられない」、「仕事に手ごたえを感じられない」、「自分に何かが足りない」といったことから、時にはモチベーションが低下することも。そして、この世代には、こういったことを感じながら、組織の期待や役割が強く影響する中で、与えられた仕事に対応しながら少しずつキャリアを形成していく人も存在します。これに対して、「このままでは終わらせたくない」、「今の自分を活かしたい」、「さらに学びたい」といった思いを抱く人もいます。
ですが、いずれの場合も焦りを感じているのであれば、少なからず将来のキャリアのイメージはまだおぼろげな状態にあると考えらえます。

キャリアの見通しが悪くなると、「このまま自分はこの会社に居続けても良いのだろうか」と思うようになる人も現れてきます。そして、やりたいこと、なりたい姿、つまりキャリア感が強くないと、このモヤモヤの中で状況に流されていくこともあります。あるいは、様々な今のままの働き方がこのまま続くのではないかという不安から、今の組織の外に目を向け、転職というようなかたちで、より良い職場環境を求めていってしまうこともあるかもしれません。

組織の課題:30代がここで働く意味を取り戻すには

30代は就職氷河期といわれた時代のあとにようやく積極的に獲得できた人材という企業も少なくはありません。しかもそのあとは人手不足から売り手市場に変化し、新たな人材を獲得することがますます困難になってきている時代になってきています。このようなこ事が相まって、多くの企業では今の30代に対して、将来の自社を担う存在として組織と共に成長して欲しいと願っているようです。

その実現のためには、具体的に、次のような要素をシナリオに組み込んだ30代のキャリア開発の施策(キャリア開発プログラム)を検討することが考えられます。

  • 組織(会社)の成長のストーリーを理解する
    将来にわたって組織がどのように成長しようとしているのかの理解を促す。
    その中には、どのような役割が存在するのかを理解するように促す。
  • 組織と自分の成長のストーリーをつなげる
    自分がなぜ・どのような思いでこの組織に入り、今もいるのかを思い出すよう促す。
    組織の成長のストーリー中の役割に自分を重ね、自分ならどのようにその役割とともに成長できるのかを考えるよう促す。

このような施策の目的は、個人の気づきを促すグループワークなどを中心にしたキャリア研修で果たす部分もあれば、日ごろの上司(管理職)と本人との対話や、MBOの中で果たす部分もあるかもしれません。
ただし、いずれにしても、30代が、何に焦り、無力感を感じるのかを捉え、そこにある課題のいくつかを捉えながら、この組織で働く意味・意義を自ら取り戻すことができるようにマインド・セットする仕掛け・仕組みづくりをしていくことが、この世代に対峙する人事・人材育成の重要なテーマとなってくるといえます。

30代向けキャリア開発研修の事例

企業が30代の社員に求める期待は「管理職を目指して欲しい」「自律的なキャリア意識を持って欲しい」「ライフイベントとうまく両立して欲しい」などと様々です。また、本人に対するキャリア研修のプログラムだけではなく、その上司(管理職)にも働きかけるような構成や、面談などによって互いの理解をすり合わせるなどの方法も取られています。詳細はこちらから

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