チームビルディングの目的とは。混乱期を乗り越える3つの具体的施策。

企業を取り巻く環境が複雑化し、変化のスピードが速くなるなか、素早い意思決定の重要性が上がっています。
そうしたなか、個々人が自律的に動くことができるチーム作りによって、組織の成果を最大化することに注目が集まっています。
そこで、有効な手段の一つとして挙げられるのが「チームビルディング」です。
本記事では、具体的に期待できる効果や押さえたいステップ、施策例などをご紹介いたします。

2022.06.01
コラム

チームビルディングが目指すところ

チームビルディングとは、「チームを構成する一人ひとりの能力や経験、スキルを最大限発揮できるチームワークづくりに向けた取り組み」のことを指します。そのチームビルディングの目指すところは何でしょうか?チームビルディングをすると、どのような効果があるのでしょうか。主に以下の3つが挙げられるでしょう。

1)チームとしてのビジョン浸透ができる

まず、1点目の目的として、チームとしてのビジョンを明確にし、浸透させることが挙げられます。目標達成に向けた戦略などのチームビジョンを共有することには、意味があります。メンバー間でビジョンがしっかり共有できていると、一人一人が、チームの目標を自分ごととして受け止め、自分の役割を果たそうとします。チームの方向性と役割の明確化ができれば、メンバーがどのようにチームに貢献できるかについて考え、チームとしての活動の焦点を当てることができるでしょう。

2)チームメンバー間の関係強化ができる

2点目は、チームメンバー間の関係強化です。お互いに助け合い、苦労を共にすることで、チームメンバー同士の関係は強固になっていくでしょう。チームでの関係性が向上すればチームが機能するようになります。お互いの価値観・強み・役割を理解し合うと、目標達成のために効率的な方法を選んで業務を遂行できます。

3)アイデア創出や生産性向上を通じたチームパフォーマンス向上に繋がる

3点目は、チームパフォーマンス向上です。ビジョンを浸透させ、連帯感のある強固な関係をつくることで、メンバー同士が進んで、意見・アイデアを出し合うようになります。また、細かい仕事の隙間を埋めあうなど、お互いの仕事を補いあう行動も起こるでしょう。これにより、チームとして画期的なアイデアが出る、チームとしての作業効率が上がるなど、パフォーマンスや成果向上が望めるようになります。

なぜ今、チームビルディングが必要とされているのか

なぜ、今、チームビルディングが必要とされているのでしょうか。

ビジネスを取り巻く環境が複雑化しており、スピーディな意思決定が求められています。
そのような中で、個々人が自律的に動くことができるチーム作りの重要性が増しています。個人が持つ専門性を互いに共有し合い、互いの弱みは補い、強みを活かし合いつつ、成果創出に向けて協業することは、組織の成長には不可欠でしょう。

チームビルディングの対象とは

チームビルディングの対象は、どこまでなのでしょうか?リーダーのみでしょうか?もちろん、会社や組織によって、その対象を限定することもありますが、一般的には、組織の全員に向けて、必要な取り組みと思われます。新入社員や中堅社員、管理職や経営層など、立場や年齢、勤続年数などは関係がなく、誰でもこのチームビルディングの施策の対象とすることが望ましいでしょう。

タックマンモデルによるチームビルディングの5段階プロセス

タックマンモデルとは、アメリカの心理学者、ブルース. W. タックマンが提唱したチームビルディングにおける5つの発展段階です。

1965年に4つの発展段階があることを示し、その後、1977年に新たに1段階を加え、現在では5段階の発展段階であるとされています。

1)形成期(Forming)

メンバーが決定され、チームメンバー同士まだお互いを知らない段階です。チームとしての目標、個々のメンバーの役割、課題もまだ曖昧な状態です。

2)混乱期(Storming)

メンバー間で主張や価値観がぶつかり合い、対立・混乱が生まれる状態です。このままの状態だとチームとしてのパフォーマンスは発揮できません。

3)統一期(Norming)

チームとして、お互いの違いを理解しつつ、目指すべきゴールや、ミッションが共有され、統一感が生まれはじめている状態です。

4)機能期(Performing)

チームに結束力や連同感が生まれ、相互にサポートができるようになる状態で、チームとして最もパフォーマンスを発揮できる状態です。

5)散会期(Adjourning)

当初の結成の目的が達成された、もしくは時間的な制約により、解散が検討され、別のミッションに向けて動き出す状態です。

このタックマンモデルから学ぶことは、チームワーク、チームビルディングは短期間では完成しないということです。この段階をしっかり経ることで、チームとしての結束力も上がり、チームとしてのパフォーマンスも最大化できることとなります。

混乱期を乗り越える3つの具体的施策

上記のタックマンモデルによると、いかに混乱期から、統一期、機能期に移行するかがポイントになってきます。企業ではどのような効果的な施策をとっているのでしょうか?注意点などはあるのでしょうか。3つの具体的な事例を徹底解説します。

1)チームビルディング研修

チームビルディング研修は、講義だけの座学ではありません。研修室内やオンライン・リモート環境で、ゲームを企画・実施することで、チームワークを強化にすることも可能です。例えば、KDDI株式会社では、社内の人脈構築とコミュニケーション活性化をもたらすビジネスゲーム「健康経営ゲーム Online」を行ったようです。ビジネスゲーム「健康経営ゲーム」は、社長・管理職・人事部・一般社員などの役職に分かれて、様々なプロジェクトを行いながら、会社の業績を上げていく運営シミュレーションゲームです。テレワークの中で失われている関係の質を認識し、チャットなどで気軽に雑談のできる雰囲気を醸成する目的もあるようです。
<参考引用:Project Design

2)ワーケーションの活用

ワーケーションとは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。テレワー ク等を活用し、リゾート地や温泉地、国立公園等、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うことを指します。
<参考引用:「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー|観光庁

ワーケーションでは、長めに休暇が取れるだけではなく、仕事の成果が上がるなど、運用次第では、生活と仕事の両面に好影響をもたらす場合があります。更に、オンラインで働くことが以前より日常化した今だからこそ、チームビルディングに活用できる可能性があります。例えば、日中はメンバー間でディスカッションなどを行った上で、夜は懇親会で親睦を深める等、時間の使い方が自由である点、場を変えることで視点が変えることができる点などのメリットがあります。

例えば、日本航空株式会社(JAL)が、2017年夏にワーケーションを導入しており、社員の自己成長やチーム単位での新たなマインドセット、活力につなげているようです。
<参考引用:HR Pro

3)アウトドアのアクティビティ

チームビルディングを推進するため、アウトドアのアクティビティを取り入れるというのも一つの方法です。上記のワーケーションのように「仕事の要素」はなく、どちらかというと「遊びの要素」ではありますが、チーム内で、何か一つの目標を達成するアウトドアのアクティビティは高いチームプレーが必要とされ、チームビルディングに非常に有効な施策だと言われています。

例えば、米国の企業では、セーリングでサウサリート(Sausalito) から サンフランシスコ(San Francisco)までの距離を力合わせて渡りきるというアクティビティが人気のようです。過去GoogleやMicrosoftのチームメンバーも参加しています。チームメンバーには、乗組員として一人ひとり役割が与えられ、力を合わせて船体が前に進むように協業します。こういったアクティビティも強固なチームを構築するのにヒントになるかもしれません。
<参考引用:Schooner Freda B

まとめ

タックマンモデルの5段階に見られるように、チームは一夜にして、結束力や連帯感が生まれることはありません。また、短期間で、パフォーマンスを発揮するチームが生まれるわけではありません。いかに、タックマンモデルで言う「混乱期」から、「統一期」、「機能期」に移行できるかがポイントになってくるのではないでしょうか。そのためには、チームメンバー同士が相互理解を深める取り組みを、自社の社風や対象に合わせて活用しながら、チーム力向上に向けて仕掛づくりをすることが必要になるでしょう。

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