VUCAとは?意味や読み方、VUCA時代に必要な人材像と組織づくりを解説

様々な環境変化が起こる中で、未来が予測しづらい時代が到来しております。まさに、いま私たちはVUCA時代の真っただ中にいると言っていいでしょう。

VUCA時代は脅威でもありますが、逆に好機、チャンスととらえることもできます。この時代に適応した組織づくりや人材づくりが今、日本企業に求められているのです。

VUCAという時代に求められる人材像、組織づくりを改めて理解することで、これからの人材・経営戦略に活用して頂けますと幸いです。

2022.08.22
コラム

VUCAとは

VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った略称で、ブーカと呼ばれています。具体的には、未来の予測が難しくなる状況を意味します。元々は1990年代に米軍で使われるようになった軍事用語から登場したともいわれています。世界中を襲う自然災害や新型コロナウイルス感染拡大、AIやWeb3などIT技術の進化で、これまでの常識が通用しなくなり、社会変化が次々と起こるVUCA時代では、変動するビジネス環境に対して、柔軟かつ迅速な対応が必要になってきます。

Volatilityは「変動性」を意味します。例えば、昨今、販売・マーケティング手法が激変しました。販売・マーケティングと言えば、従来はテレビや新聞広告という媒体に広告費を支払い、宣伝活動を行うのが主流でした。一方、現代では、SNSなどの普及で消費者による情報の受発信が可能となり、SNSマーケティングという言葉も生まれました。インフルエンサーやYoutuberなど発信力を持つ個人も生まれ、販売・マーケティングの分野だけを見ても、大きな変動性があることがわかります。

Uncertaintyは「不確実性」を意味します。全く予想もしない一つの国の何らかの紛争や問題が世界規模のダメージに発展することもあります。例えば、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の影響で、日本を含む世界経済が大きな影響を受けていることも、この典型でしょう。このような「不確実性」という事象が世界中で起こっています。

Complexityは「複雑性」を意味します。グローバル化、テクノロジーの進歩で、さまざまな要素・要因が複雑に絡み合っていて、単純な解決策を導き出すのが難しい状態のことを指します。一つの事象を考察する際にも、その背景にある複雑に絡み合った要因を考慮しなければなりません。

Ambiguityは「曖昧性」を意味します。世界規模でイノベーションが連続的に起こるため、先行きが不透明であり、絶対的な解決方法が見つからない曖昧な状態を指します。こういった時代には、世界の将来を確実に見通すことができなくなりました。

VUCAがなぜ注目されているのか

VUCAがなぜ注目されているのかについて、企業の視点と、個人の視点から説明できるでしょう。

1)企業の視点

今までの常識が通じない世界で、企業はどのように成長戦略を描いていくか、中長期な計画を検討していくかについて、新たな課題に直面しています。しかし、これは、逆にビジネスチャンスでもあります。このような時代の潮流をしっかり捉え、社内人材をVUCA時代に適応できる人材として育てていく必要性が問われており、そのような組織づくりと人材育成が注目されているのです。

2)個人の視点

個人にとってもVUCAは他人事ではありません。個人もVUCA時代に向けて、柔軟に変化、成長していくことが必要となります。所属組織に自分のキャリアを預けるのではなく、どのような人生を歩みたいかを自ら考え、それに向けた自己研鑽や機会を取りに行く行動が必要な時代になっています。現代はクラウドソーシングなどのプラットフォームで個人が仕事を創出していくことも可能です。働き方や仕事の内容に選択肢を持てるようになってきつつあります。VUCA時代の働き方はますます多様化していくでしょう。時代に適合して、柔軟に変化し続けることが、個人の強みになっていくのではないでしょうか。

OODA(ウーダ)ループとは

OODAループとは、米国の戦闘機操縦士兼航空戦術家であるジョン・ボイド氏により考案された意思決定のフレームワークとされています。OODAループのプロセスは、観察(Observe)、仮説構築(Orient)、意思決定(Decide)、実行(Act)の4つです。
この4つのループを高速で繰り返しながらも調整を加えていくことで、迅速で適切な決断力が高まり、変化対応が可能になります。

ジョン・ボイド氏は「40秒ボイド」と呼ばれるほどに意思決定から行動までのスピードが早く、絶望的な状況に追い込まれたとしても、40秒で形勢逆転が可能としました。

このOODA(ウーダ)ループの考え方が今、VUCA時代に注目されているのです。

VUCA時代に必要な人材像とは

VUCA時代に必要な人材像の特徴とはどのようなものでしょうか?4点紹介いたします。

1)多様性を受け入れられる人

変化の激しい時代は、「こうあるのが当然」という形はなくなると言えます。自分自身の古い価値観や知識だけで判断してしまうのではなく、また、未来の可能性を否定することなく、多様な価値観・トレンド・違いを受け入れ、付加価値に変えていける人材が必要とされるでしょう。複雑化する世界では、様々な価値観が生まれ、ぶつかり合う時代です。それを否定的に見るのではなく、逆に肯定的に捉え、臨機応変にそれらを採用し、ビジネスアイデアに活かしていく観点が必要となるでしょう。

2)客観的に分析ができる人

大量に注ぎこまれる情報に直面し、それに流されるのではなく、自ら情報収集し、客観的に分析して、本質を見極める能力が必要でしょう。一見、変化しているように見えても、意外にも本質は変わっていないことに気づくかもしれません。変動性があるようでも、一定の法則があるかもしれません。つまり、「本当に変化しているか?」「どのように変化をしているのか」「どのような動きが予想できるか」を把握する能力が必要となるのです。

3)常に学び続けられる人

上記のように、多様な価値観・思考を受け入れ、客観的な分析力を得るなど、VUCA時代に適応した能力、スキルを学び続ける意欲が必要です。このような学びのアップデート、強化を常に続けられる行動力が必要です。生涯学習とも言いますが、生涯学び続ける意欲のある人材が求められています。経験から自ら主体的に学び、思考力のある人材が求められるでしょう。

4)OODAループを実現できる人

OODAは、今この瞬間の意思決定のためのフレームワークです。現状の観察から始まり、刻々と変化する状況に対して、常に最善の手を打ちます。変化が速く激しい現代は、困難な状況であろうと、施策を「まずはやってみる」「検証して次に生かす」というループを何度も回して、前に物事を進められる人材が必要とされるでしょう。

VUCA時代の組織づくりのポイント

では、予測不可能とされるVUCA時代を前提とした場合、必要な組織づくりのポイント、対応策とは何でしょうか?3つ挙げて解説いきましょう。

1)ビジョンを明確にする

現状から先行きが見通せない、想定外の時代だからこそ、軸となるビジョン、目標が必要です。ビジョンはVUCAのような複雑な時代にも、組織がゆるまずに前に進む道標となります。経営者、マネジャーやリーダーがビジョンを策定し、従業員にしっかり浸透させることが必要であり、これからの成功の条件となってくるでしょう。

2)スピーディで適切な経営判断を行う

OODAループでも触れた通り、これからの時代は、「スピード」「決断力」の重要性が増していきます。曖昧な情報でも、メリットとデメリットを即時に分析し、リスクマネジメントを考慮したうえで、迅速に経営の決断をしていくことが肝要です。小さく始めて失敗しそうなら、引き返す。こういったアジャイルな意思決定が可能なマネジメントスタイルと組織風土づくりが大事になるでしょう。

3)キャリア自律を重視する組織を作る

一人ひとりがキャリアを自ら創る意識をもって、自律的に行動を続けることが必要です。例えば、組織の人材戦略においては、キャリア自律の意識醸成と行動を促すキャリア研修だけではなく、制度として自ら異動などの機会を得る仕組みを創る、キャリアの専門家に相談ができる支援室を創るなど、社員のキャリア自律を促す全体としての仕組みづくりが有効になるでしょう。更に、定期的な上司と部下の対話(1on1面談やキャリア面談など)を通じ、現場でメンバーをマネジメントする上司が、部下のキャリア自律を支援する取り組みも重視されるでしょう。

まとめ

企業の観点、個人の観点からもVUCA時代には、考え方のパラダイムシフトが必要です。経営陣がビジョンを策定し、社員に浸透させることや、社員一人一人がキャリアを自ら考えることの重要性を認識し、主体的な行動を促進する組織風土に積極的に変革していくことは喫緊の課題になるでしょう。

株式会社ライフワークスでは、従業員が自律の意識と行動を高めて自ら成長できる企業へと変革していく「キャリア開発の仕組み・体制構築支援サービス」をご提供しています。セルフ・キャリアドック導入や、社員のキャリア自律に課題を持つ方は、是非ライフワークスのキャリア開発の仕組み・体制構築支援サービスをご覧ください。

この記事の編集担当

黄瀬 真理

黄瀬 真理

大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。

国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定

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