マネジメント研修とは?対象となる社員と身に付けておきたい知識

組織を率いるリーダー層は、一定のマネジメントスキルを有していることが求められます。しかし、新任の管理職をはじめとして、管理職としての職務を全うできているか不安を抱える社員も少なくありません。また、多くの経験を積んだ既任の管理職であっても、より上位の管理職としての視野を拡げる必要があります。今回は、組織の成長を成果に結びつける役割を担う管理職に向けた、マネジメント研修について解説します。

2023.02.15
コラム

1.マネジメント研修の目的

組織のリーダーとして活躍する管理職には、マネジメントスキルが欠かせません。経営視点を持ち、目標達成や課題解決へ向けて組織を導く管理職を育成するためにも、管理職向けのマネジメント研修は有効です。初めに、マネジメント研修の目的をお伝えします。

1)マネジメント研修とは

マネジメント研修とは、マネジメントに関する専門的な知識や、現場で役立つ実践的なスキルを習得する研修です。管理職研修として実施されるケースが多く、部下を管理・監督する立場の社員が受講対象となります。自社のリーダー層を育成する重要な研修の一つといえるでしょう。

マネジメントとは、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を効率的に活用し、リスクを管理しながら、組織のミッション達成を目指すことを指します。

管理職の大切な役割の一つとして、組織が目指すべきゴールに向けて目標を設定し導くことが挙げられます。そのために、チームビルディングや部下育成、リスク管理まで幅広く対応します。管理職の意思決定は組織の成果に大きな影響を与えるため、高度な判断力もなくてはなりません。

2)マネジメント研修の目的

マネジメント研修の目的は、組織成長と企業の業績拡大に向けて活躍できる社員を増やすことができる管理職を育成することです。研修では、マネジメントの知識とスキルを体系的に学習します。そこでは、管理職マネジメントに対する理解を深め、実践に使えるスキルを習得することが主な目的です。研修後、参加者が学んだことを日々の業務で生かすことで、結果として会社の業績拡大につながる大きな効果が期待できるでしょう。また、集合研修やセミナーは、マネジメント手法を習得するだけでなく、管理職同士で意見や情報の交換をする機会にもなることがポイントです。

2.マネジメント研修を受ける対象となる社員

続いて、マネジメント研修の受講対象となる社員について、より具体的にご紹介します。効果的な人材育成のために、職場では以下の社員へのマネジメント研修を検討しましょう。

1)管理・監督を担当する新任の管理職

新任の管理職をフォローする基礎研修では、マネジメント能力を高める研修内容を検討しましょう。管理職になったら、今後はプレイヤーから管理職へとマインドセットを変えて、行動変容を起こしていく必要があります。指示を受ける立場から指示を与えてチームや組織を動かす立場に変わったことへの自覚を持たせる上でもマネジメント研修は有効です。まずはマネジメントの基本を学び、上司として所属部署や部下の管理を行える状態を目指しましょう。研修後、すぐに現場の業務が上手くゆくとは限らないため、新任管理職を手厚くフォローすることも大切です。

2)既任の管理職

すでに管理職の仕事を担う責任者も、より高度なマネジメント力を身に着けるには必要があります。経営に関する知識の獲得を体系的に行うことに向けて、企業側が機会を提供するのは有益です。立ち止まってこれまでのマネジメントスタイルを振り返り、現状で不足している知識やスキル、課題を自ら発見することを通して自律的な変化を促すことも大切です。変化し続ける社会を的確に捉えて、マネジメントに取り入れる姿勢が求められます。経営層や上級管理職への昇格に備えて受講させても良いでしょう。

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3.マネジメント研修で学ぶ内容

最後に、マネジメント研修で具体的に学ぶ内容を解説します。自社に必要な知識やスキルを受講者が身に付け、業務に活かすことができれば、より効果的な研修になるでしょう。カリキュラム設計やコース選びの参考にしてみてください。

1)部下の育成に関する内容

部下の教育は、マネジメント研修の基本的な内容の一つです。管理職が部下の力を引き出しながら育成できるよう、実践的な知識とスキルを学んでいきます。管理職は従業員の成果を向上させ、組織がパフォーマンスを発揮し続ける状態にすることを求められています。部下との対話を通じて中長期的なキャリアプランの相談に乗ったり、チームメンバーの心身のコンディションの状況を把握することも重要です。
部下の評価方法だけでなく、効果的なフィードバックのコツや、コーチングに基づいたコミュニケーションの姿勢などを学ぶことができる研修があります。近年では、リモートワークにおけるオンラインでのマネジメントを取り扱う研修もあります。部下のモチベーションを維持向上させ、組織全体のパフォーマンス向上に繋げることに向けて、ぜひ取り入れたいテーマといえるでしょう。

2)組織の強化に関する内容

日頃から「経営者のビジョンの伝達が十分にできない」といった問題意識を持ち、葛藤を抱える管理職も少なくありません。そのため、マネジメント研修では会社組織の強化について学ぶものも多くあります。研修を通じて、まず受講者が会社の継続的な成長のために必要なことを考えることが基本となります。その後に、部署間の連携強化、社内全体としてのコミュニケーション活性化させるなど、組織力を向上させるマネジメントスキルを身に付けることも可能です。組織における管理職の役割を自覚させて、自社のステージを高める研修効果が期待できます。

3)数字に対する意識を高める内容

管理職は、数字を正しく捉え、現状や動向と結び付けて未来に向けた予測をする、数字力が求められます。
研修では、経営で求められるビジネス数字を学ぶほか、数字をどのように使うかも習得します。管理職自身が管掌する範囲のみならず、会社全体や業界などの数字を事業推進に活かすことに向けて、研修で学ぶ内容はその助けとなるでしょう。数字を活用するノウハウが身に付くだけでなく、課題解決や意思決定、戦略立案など多くの場面で活かすことが期待できますようになります。

4.マネジメント研修で組織の成長を促すために

今回は、マネジメント研修の目的や、研修の対象となる社員、研修で学ぶ内容までお伝えしました。研修会社やマネジメントスクールでは、組織マネジメントを専門的に学べる豊富な研修プログラムが用意されています。組織の成長を促すには、管理職にも充実した学びの機会を提供することが重要です。人事部門のご担当者様は、ご紹介した内容をぜひ組織運営の参考にしてみてください。

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この記事の編集担当

黄瀬 真理

黄瀬 真理

大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。

国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定

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