ライフワークス 執行役員の佐々木です。
企業の現場でキャリア支援に携わる中で、40代の社員がキャリアの方向性を見出せないまま、「なんとなく仕事を続けている」状態にある場面に、数多く向き合ってきました。
そしてその延長線上で、50代に入り、「こんなはずではなかった」と感じてしまうケースも、決して少なくありません。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
■1. 40代は"選択しなければならないフェーズ"
一般的に、入社から30代までは、会社から与えられる役割や機会を通じて成長していく期間です。
一方で40代は、それまでに培った経験や強みをもとに、自らの専門領域やプロフェッショナル性を定め、組織の中で価値を発揮していくフェーズに入ります。言い換えれば、「与えられるキャリア」から「選び取るキャリア」への転換点です。
しかし実際には、この変化に気づかず、30代の延長線上で仕事を続けてしまうケースが多く見られます。
■2. なぜ人は"選ばない"のか
ここで重要なのは、多くの人が「選べない」のではなく、結果として「選ばない」状態にあるという点です。
マネジメントを目指すにしても、スペシャリストを志向するにしても、本来は自ら方向性を定め、必要な経験を積みにいく必要があります。しかし実際には、以下のような認識のもと、現状を維持する選択がなされがちです。
- いつか会社が役割を与えてくれるだろう
- 今の延長線上で評価されるはずだ
- 大きく動くことにはリスクがある
これはある意味で合理的です。新たな挑戦には不確実性が伴い、短期的には現状維持の方が安全に見えるからです。しかしその選択は、中長期的にはキャリアの選択肢を狭めることにつながります。
■3. 50代で起きる「可能性の収束」
40代で明確な方向性を定めないまま50代に入ると、キャリアの状況は大きく変わります。多くの企業では、配置転換の機会が減り、昇進に対する期待値が事実上固定化されるといった変化が起こります。
つまり、これから広げるキャリアではなく、「これまでの延長で維持するキャリア」に移行していくのです。その結果、「まだできるはずなのに機会がない」という感覚につながり、組織内での活力を失っていくケースも見受けられます。
■4.求められるのは"意思決定の設計"
では、この状況を防ぐためには何が必要なのでしょうか。重要なのは、個人の意識だけではありません。組織として「キャリアを選択する機会」を設計することが求められます。
具体的には、40代の節目でキャリアを見直す機会を設けることや、上司との対話を通じて方向性をすり合わせるといった取り組みが重要になります。
40代の10年は、50代以降の活躍を規定する極めて重要な期間です。このタイミングで「なんとなく」を放置するのか、それとも「意図的に選ぶ」状態をつくるのか。その違いが、数年後に大きな差となって現れます。
40代のキャリアに対して、「本人の主体性に任せるべきか」「会社が関与すべきか」悩まれている企業も多いのではないでしょうか。そのバランス設計こそが、キャリア施策の本質です。
まずは貴社の現状や課題について、私たちにお聞かせいただければ幸いです。ライフワークスが、貴社の状況整理に向けた「壁打ち相手」を務めさせていただきます。
著者:佐々木 淳
大学卒業後、一貫して人材業界で20年。主にIT業界やコンシューマサービス業界大手企業の採用コンサルティングを10年あまり手掛ける。その後、ライフワークスに入社。年代別のキャリア支援や、上司向け部下のキャリア開発支援などといったソフト面の施策企画提案に幅広く携わる。大手を中心に幅広い業界のクライアントに対するコンサルティング実績を持つ。
現在は、年間約200社のキャリア課題解決に向けた施策立案の責任者として従事。


