40代社員の「キャリア停滞」はなぜ起きるのか?人事が知るべき構造的要因

2026.05.08
コラム

ライフワークス 執行役員の佐々木です。

企業の現場でキャリア支援に携わる中で、40代の方々と対話をしていると、これまでとは質の異なる悩みが増えてくることを実感します。

それは単なる「仕事上の悩み」ではなく、「このままでいいのか」という、より根源的な問いです。なぜ、このような変化が起きるのでしょうか。

■40代は"人生の前提"が揺らぐタイミング

これまでのキャリアは、多くの場合、組織の中で役割を与えられ、その期待に応えていくことで積み上がってきました。しかし40代に入ると、そうした前提が少しずつ変わり始めます。

  • この延長線で本当に良いのか
  • 自分は何を大切にして働きたいのか
  • そもそも、何のために働いているのか

心理学者ユングは、人生の中盤において、「外的な成功」から「内的な充実」へと関心が移行すると述べています。40代は、まさにその転換点にあたる時期と言えるでしょう。

■仕事のキャリアだけでは、選択が成立しない

このタイミングで多くの方が直面するのが、「キャリアをどう選べばよいか分からない」という状態です。その理由の一つが、"仕事のキャリア"だけで考えようとしてしまうことにあります。

40代は、仕事だけでなく、家庭、健康、経済といったライフ全体の要素が意思決定に強く影響する時期です。子育てや介護、自身の体力といった現実的な条件の中で、「どんな仕事をしたいか」だけではなく、「どんな人生を送りたいか」という視点がなければ、キャリアの意思決定そのものが成立しなくなるのです。

■求められるのは"ライフキャリア"という視点

こうした状況において重要になるのが、キャリアを仕事の領域に閉じず、人生全体の中で捉える「ライフキャリア」の視点です。

「どのように生きたいのか」を起点に、仕事のあり方を再定義していく。言い換えれば、仕事を中心に人生を組み立てるのではなく、人生全体の中に仕事を位置づけ直すという発想です。

■40代は"後半戦の設計期間"である

一般的に、40代以降の組織内キャリアは20年前後。この10年を意図的に使えるかどうかが、その後のキャリアの質を大きく左右します。

にもかかわらず、立ち止まって考える機会は多くありません。結果として、30代までの延長線上で仕事を続け、後になって違和感に気づくというケースも少なくないのです。40代は、これまでの積み上げを前提にしながらも、"後半戦をどう生きるか"を再設計する極めて重要な期間です。

■企業に求められる支援とは

このような変化は個人の内面で起きるものですが、企業としても無関係ではありません。むしろ、キャリア自律とは単に「本人に任せること」ではなく、「自ら選べる状態をつくること」です。

キャリアを考える機会の提供や、ライフと仕事を統合して考える支援といった環境が整っているかどうかが、社員の意思決定の質、ひいては組織の活力に直結します。

40代のキャリアにおいて、「仕事」と「人生」をどう捉えるかは、企業としても避けては通れない重要なテーマです。

ライフワークスでは、社員一人ひとりが自律的にキャリアを再設計するための支援を行っています。貴社のキャリア施策について、私たちと一緒に整理してみませんか?

著者:佐々木 淳

佐々木淳大学卒業後、一貫して人材業界で20年。主にIT業界やコンシューマサービス業界大手企業の採用コンサルティングを10年あまり手掛ける。その後、ライフワークスに入社。年代別のキャリア支援や、上司向け部下のキャリア開発支援などといったソフト面の施策企画提案に幅広く携わる。大手を中心に幅広い業界のクライアントに対するコンサルティング実績を持つ。
現在は、年間約200社のキャリア課題解決に向けた施策立案の責任者として従事。

おすすめ記事

コラムの一覧へ戻る