ライフワークス 執行役員の佐々木です。
定年を迎えた後、どのように働くのか。
現在、多くの企業で再雇用制度が整備され、60歳以降も同じ会社で働き続けることが一般的になっています。
一方で、社員本人に、
「定年後、なぜ働き続けるのですか?」
と聞いてみると、
「みんな再雇用になるから」
「とりあえず65歳までは残ろうと思う」
「他に特に選択肢もないので」
といった答えが返ってくることがあります。
制度として働き続けられることと、本人が主体的に働き方を選択していることは、同じではありません。
■定年後の働き方は、お金と切り離せない
ミドルシニア社員にとって、今後のキャリアを考える際に避けて通れないのが生活設計です。
今後どの程度の収入が必要なのか。
退職金や年金はどのくらいになるのか。
現在の蓄えはどの程度あるのか。
これからどんな支出が想定されるのか。
こうしたことが分からないまま、
「60歳以降、どう働きたいですか?」
と聞かれても、なかなか具体的な答えは出ません。
逆に、生活やお金をある程度見通すことができると、
「自分はいつまで働く必要があるのか」
「どの程度の収入が必要なのか」
「フルタイムで働く必要があるのか」
「今の会社で働き続けるのか、社外も含めて考えるのか」
と、働き方の選択肢を具体的に検討できるようになります。
■「老後不安への対応」だけではもったいない
企業におけるマネープラン教育は、これまで定年前社員を対象とした福利厚生施策として実施されることが多かったように思います。
もちろん、年金や退職金を知り、老後に備えることは重要です。
ただ、私たちはそれだけではもったいないと考えています。
生活設計を具体化することで、
「では、残りの職業人生をどう使うのか」
というキャリアの問いにつなげることができるからです。
例えば、
今の会社で引き続き働くなら、どのような役割を担いたいのか。
これまで培った経験や専門性を、どこで活かしていくのか。
今後必要な知識やスキルは何か。
社外も含めて、どのような働き方の選択肢があるのか。
マネーを考えることで、キャリア後半戦をより具体的に考えることができます。
■「再雇用される」から「再雇用を選ぶ」へ
再雇用制度が整っていると、
「定年になったら、そのまま再雇用へ」
という流れができやすくなります。
しかし、本来のキャリア自律という観点から考えるなら、
「制度があるから残る」のではなく、
自分の生活、価値観、仕事への思い、これまでの経験などを踏まえたうえで、
「私はこの働き方を選ぶ」
という状態が望ましいはずです。
その結果として再雇用を選ぶのであれば、同じ「会社に残る」という行動でも意味は大きく違います。
自分自身で選択した働き方には、次の役割や成長について考える余地が生まれます。
■マネープランは、キャリア後半戦を主体的に考える入口
ミドルシニアにとってマネープランは、単なる老後資金の確認ではありません。
収入、支出、蓄え、年金、退職金などを見通すことで、
「いつまで」
「どこで」
「どのように」
働くのかを具体的に考えることができます。
前回の50代活躍のコラムでもお伝えしたように、50代以降は、それまでのように昇進や異動といった外的キャリアだけで未来を描くことが難しくなります。
だからこそ、
自分が何を大切にし、どのような経験や強みを使って、これからどのように貢献していくのか
を考える必要があります。
生活設計を見通すことは、その問いに向き合うための一つの入口です。
再雇用を「なんとなく残る制度」にするのか。
それとも、一人ひとりがキャリア後半戦を主体的に選択する機会にするのか。
マネープラン支援には、その違いをつくる可能性があると考えています。
ライフワークスでは、キャリアコンサルタント資格とファイナンシャルプランナー資格を併せ持つ講師陣が、お客様の社員のキャリア自律を促進する研修に登壇しています。貴社の状況や課題について、私たちと一緒に整理してみませんか?
著者:佐々木 淳
大学卒業後、一貫して人材業界で20年。主にIT業界やコンシューマサービス業界大手企業の採用コンサルティングを10年あまり手掛ける。その後、ライフワークスに入社。年代別のキャリア支援や、上司向け部下のキャリア開発支援などといったソフト面の施策企画提案に幅広く携わる。大手を中心に幅広い業界のクライアントに対するコンサルティング実績を持つ。
現在は、年間約200社のキャリア課題解決に向けた施策立案の責任者として従事。


