キャリアビジョンとは?企業にとっての重要性や取り組みたいこと

少子高齢化による労働力人口の減少などを受け、多くの企業が人材の確保や育成に悩みを抱えています。優秀な人材を確保・育成するには、従業員一人ひとりが持つキャリアの将来イメージをすり合わせ、それに沿った役割付与・期待を伝える必要があります。そこで重要になるのが、キャリアビジョンという考え方です。

今回は、キャリアビジョンの基本的な知識や多くの企業から注目されている理由を解説します。具体的なサポートの方法もご紹介しますので、企業の人事担当者様はぜひ参考にしてください。

2023.03.28
コラム

1.キャリアビジョンとは?

就職や転職、結婚、出産など人生には数多くのターニングポイントがあります。これらを含めたありたい人生の未来像を描くのがキャリアビジョンです。まずは、キャリアビジョンの意味やよく似た言葉との違いを解説します。

1)将来なりたいと考える理想の姿

仕事やプライベートを含めた、人生における将来のありたい姿のことをキャリアビジョンと呼びます。例えば、「子育てと仕事を両立しながらも、組織を率いる存在になりたい」といった将来像が挙げられます。

キャリアビジョンを描くことは、自己分析や仕事のモチベーションアップにつながるため、多くの企業で何かしらの形で取り入れられています。個人が描くありたい姿を会社側が把握することで、より適正な人員配置に活用する目的で、キャリアビジョンについて社員に尋ねる企業もあります。キャリアビジョンを考える際には、「3年後」「5年後」「10年後」など期間を区切って考えるのが一般的です。

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2)キャリアプランとの違い

キャリアプランとは、キャリアビジョンの実現に向けた具体的な行動計画のことです。キャリアビジョンが仕事とプライベートを含めた、将来のありたい姿を指すのに対し、キャリアプランはそれを実現させるための計画を意味します。自身のありたい姿によっては、本業でのキャリアプランにとどまらず、副業や転職も視野に入れたキャリアの計画を立てることが必要となるでしょう。

3)キャリアパスとの違い

キャリアパスとは、一つの企業の中で特定のポジションや役職に就くために求められるスキルや経験の基準および条件のことです。キャリアビジョンは働く人が自分自身で思い描くものであるのに対し、キャリアパスは企業側が従業員に対して示すものである点が異なります。

キャリアパス制度の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
→キャリアパス制度とは?導入の目的と企業へのメリット・デメリットを解説

2.企業が従業員のキャリアビジョンを重要視する理由

従業員がキャリアビジョンを描くことを、企業はマネジメントの観点でも重要視しています。その理由はどこにあるのでしょうか。こちらでは3つの視点で解説します。

1)変化し続ける時代に対応するため

現代のビジネスシーンでは、終身雇用や年功序列の制度が当たり前ではなくなりつつあります。そのため働く個人は、自らのキャリアビジョンを持ち、多様な働き方の選択肢を自ら増やす必要性が高まっています。

こうしたなか、企業側にはテレワークやフレックスタイム制度の導入、副業の認可などを通じて多様化する働き方への対応が求められています。従業員のキャリアビジョンを企業側が把握することは、企業にとっては、従業員一人ひとりの働き方やライフプランに対する価値観や考えを理解するための重要な情報です。

2)従業員のモチベーションの向上に紐づくため

従業員のモチベーションアップを目的としてキャリアビジョンを考える研修などを取り入れている企業もあります。キャリアビジョンの設定を通して従業員の目標や行動計画が明確になることで、身に付けるべきスキルや経験、努力の方向性を整理しやすくなります。これにより従業員が目標達成に向けて主体的に行動できるようになり、貢献度の向上が期待できるでしょう。意欲の高い従業員が増えることで、生産性や売上げの向上も見込めます。

3)優秀な人材を確保するため

キャリアビジョンを持つこたについて従業員に働きかけることは、優秀な人材の確保にも役立ちます。キャリアビジョンを描いている従業員が多い企業は、人材が育ちやすい傾向にあります。なぜなら、人生で目指すところがはっきりすると、自分らしくイキイキと働く人が増えるためです。社外向けに、従業員が自らの目指す姿に向けて働く様子を発信することで、優秀な人材を惹きつけることができるでしょう。
さらに採用活動においても、個々人のキャリアビジョンを確認することで、採用後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

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3.従業員がキャリアビジョンを描くために企業が取り組みたいこと

キャリアビジョンは、従業員が自分で考えるものではありますが、効果を最大化するには企業側のサポートも大切です。そこで続いては、従業員がキャリアビジョンを描くために企業ができることや取り組みのコツをご紹介します。

1)キャリアに関する面談を行う

キャリア面談の中で、キャリアビジョンについて話す機会を設けることも一つの方法です。キャリア面談とは、上司と部下との中長期的なキャリアに関する対話を通して、部下の自律的な成長を促進する取り組みを指します。

面談の際には、上司側の姿勢・問いかけの方法が重要になります。特に、相手が大事にしている価値観を理解することが大切です。

キャリア面談の具体的な進め方や取り組みのポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

2)キャリアに関係する適切な情報を提供する

従業員がキャリアビジョンを実現するために適切な情報を提供することも、企業の重要な役割です。社内でのキャリアパスや、会社方針などの情報を提供しましょう。企業内における働き方や目標達成までのステップが明確になり、キャリアビジョンの実現イメージを高めることができます。また、企業側がキャリアビジョンの実現に必要な情報を積極的に開示・提供する姿勢を見せることが、従業員からの信頼につながるというメリットもあります。

3)キャリア研修を行う

従業員のキャリアビジョンを描くことをサポートするには、キャリア研修も有効です。キャリア研修とは、将来のありたい姿や目標を明確化し、行動計画を考えるために実施される研修を指します。従業員が自らキャリア について考えることで、その先の行動につなげるためのものです。キャリアの課題は年代ごとに異なるため、年代ごとで研修を行うのも有効でしょう。

具体的なキャリア研修の検討方法は、以下の記事で詳細に解説しています。キャリア研修の実施をご検討の際は、ぜひチェックしてみてください。

→研修の活用についてライフワークスに相談する

4.従業員がキャリアビジョンを描くことを支援し、主体的な従業員を増やそう

今回は、キャリアビジョンの概要、多くの企業がそれを重要視している理由、サポートの方法について説明しました。従業員がそれぞれのキャリアビジョンを描くことは、個々人のモチベーション向上、企業の生産性向上や人材の確保にもつながります。個々人がキャリアビジョンを持つ企業は、長期的な企業価値も向上する可能性があると言えるでしょう。この機会に従業員がキャリアビジョンを描くことを企業としてもサポートし、個々人がイキイキと働く状態を作ることで、自社の成長に役立てましょう。

株式会社ライフワークスでは、20代からシニアまでの各世代や、女性活躍推進、管理職向けなど、課題に合わせた「キャリア開発研修」をご提供しています。キャリア開発研修は、企業で働く社員(従業員)一人ひとりの、自律的キャリア形成を支援する方法の一つです。社員のキャリア課題を持つ方は、是非ライフワークスのキャリア開発研修をご覧ください。

この記事の編集担当

黄瀬 真理

黄瀬 真理

大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。

国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定

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