キャリア志向とは何か?キャリア志向が今、大事な理由と知る方法例とは。

「キャリア志向」とは、自分自身のキャリアを形成する上でどういった興味や価値観、考え方を持っているかを意味します。終身雇用がほぼ崩壊したと言われる現代、自身のキャリア志向をしっかりと把握していることが、非常に重要になってきています。

個人にとって重要なのはもちろんですが、企業にとっても、社員のキャリア志向を知り、それを活かす社員マネジメントの体制をとっていくことも重要な時代になりました。

では、自らのキャリア志向とは、一体何なのでしょうか?どうやったら把握できるのでしょうか?キャリア志向を知るための方法や活かし方のヒントをまとめてまいりますので、皆様のヒントになれば幸いです。

2023.04.27
コラム

1.キャリア志向とは

自分自身のキャリアを形成する上でどういった興味や価値観、考え方を持っているかを指します。同時に、職業人生において長期的なキャリアアップを目指すことも意味します。 キャリア志向がある人は、自分のキャリアを構築するために常に自身の興味や価値観を整理し、適切な教育などを受け、納得がいく長期的なキャリアを構築するために自己研鑽を している傾向にあります。

2.キャリア志向を知る方法例

では、自分自身のキャリア志向を知るためには、どのような方法があるでしょうか?
以下5つの方法を紹介いたします。

1)自己分析をする

自分自身の強みスキルや興味、仕事に対する価値観などを自ら分析することで、自分のキャリア志向を知ることができます。自己分析の方法の一つとして、キャリアアンカー分析があります。これは後ほど3)にてご説明いたします。厚生労働省が提供する職業興味検査を実施するのも良いでしょう。

◆参考にしたい!厚生労働省の提供する職業興味検査

2)キャリアコンサルティングを受ける

国家資格キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーなどの有資格者に相談することで、自分のキャリア志向を言語化し、明確にすることが可能です。日本には、2023年現在 、約6万5千人の国家資格のキャリアコンサルタントがいます。相談してみるのも良い方法でしょう。キャリコンサルタントを検索するなら、キャリアコンサルタント検索システム (キャリコンサーチ)が便利です。

◆参考にしたい!キャリコンサーチ

3)専門的なキャリアトレーニングを受ける

専門的なキャリアトレーニングや教育を受けることで、自分のキャリア志向をより明確にするための気づきを得ることができます。昨今は、様々なキャリア支援会社が、キャリアコーチングサービスなどを提供しており、このようなサービスを取り入れることで、自分自身のキャリア志向を知り、磨いていくこともできるでしょう。

これらの方法を組み合わせて、自分のキャリア志向を明確にすることができます。

3.キャリアアンカーとは

キャリアアンカーとは、米国の組織心理学者でもあるエドガー・シャイン教授が提唱しているキャリア形成の概念のことです。キャリアにおけるアンカー(錨)を指しており、自分自身が持つ、他に譲ることのできない価値観や欲求のことです。仮に周囲環境が変化しても、自己の内面で不動なもののことをいいます。一般的に30歳代後半になると、このキャリアアンカーは、次第に不動のものとなっていくと言われます。

エドガー・シャイン教授は、絶対に譲れない3つの要素(コンピタンス、動機、価値観) が組み合わさり、8種類のカテゴリーが形成されると提唱しました。どのような仕事・職種についても、ほとんどの社会人は8カテゴリーのいずれかのどれかにあてはまります。

◆キャリアアンカーの8つのカテゴリー

  1. 専門・職能別 自分の技能・専門性に価値を置く
  2. 全般管理 組織の中で、責任のある役割を担う
  3. 自立・独立 仕事を自分のやり方で仕切っていく
  4. 保障・安定 会社の雇用保障などの経済的な安定
  5. 独創性 クリエイティブに新しいことを生み出す、自身が会社や事業を起こす等
  6. 奉仕・社会貢献 社会に貢献、奉仕したりする
  7. 純粋な挑戦 解決困難な問題に挑む
  8. ライフスタイル 個人的な欲求と家族・仕事とのバランスを調整すること

自分自身のキャリアアンカーは以下WEBサイトに添付されているチェックシートなどで質問に回答を頂くと、ある程度の傾向を知ることができます。

(参考引用:d'sJOURNAL編集部

4.自身のキャリア志向を知ることが、今大事な理由

自分自身のキャリア志向を知ることが、なぜ今大事なのでしょうか?その理由は以下3点がありそうです。

1)自分がどう生きたいかという視点を持てる

終身雇用が崩れつつある今後においては、個々が意志を持って選択することが大事になります。「自身がどのように生きていきたいか」を考えることがその基盤となります。キャリア志向を知ることで、自分の生き方に基づいたキャリアの目標を明確にすることができます。これにより、スキルアップや経験の積み重ねなど、自身にとって必要なものが見えやすくなります。

2)満足度の高い選択ができる

自身の根幹となる軸が把握できることで、昇進や転職など様々な人生の節目で、自分の望む満足度の高い選択がしやすくなります。「どうしてそんな選択をしたのか」というように後になってから後悔を感じるような就職や転職をしてしまうリスクを回避できます。更には、キャリア志向を知ることで、自分にとって適切なキャリアパスを選ぶことができま す。このように、自分が望むキャリアに向けて効果的な歩みを進めることができるでしょう。

3)モチベーションが向上する

自分自身が成長と満足度の高い選択をすることで、人生全体においても高いモチベーションを保つこともできるでしょう。

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→日本水産株式会社 「自立と自律」を人事ポリシーに、社員の状況を定量で把握しながらキャリア自律支援に注力

5.キャリアアップする方法

では、具体的にキャリア志向をしたうえで、キャリアアップする方法は何があるのでしょうか?3つ挙げていきましょう。

1)資格を取得する

将来のキャリアアップの為、資格取得に向けて勉強を始めるのも良いでしょう。自分自身のキャリア志向に合った資格であれば、取得までの道のりも前向きに捉えることができるでしょう。

2)副業(複業)・兼業する

もし、何らかの理由で、転職はできない場合、キャリア志向に合った副業兼業を始めるのも良いでしょう。昨今は、副業を解禁している企業も多く、この機会に何か始めてみるのもよいかもしれません。

3)転職する

自分自身のキャリアアンカー、キャリア志向に合わない仕事の場合、キャリア志向に基づく仕事に転職するというのも一つの方法です。自分のキャリア志向に合わない仕事は、納得感ややりがい感じられないこともあるでしょう。より自分に合った機会があるなら思い切って転職するのもありでしょう。

6.まとめ

キャリア志向を知る、そしてキャリアアップに活かすことは、個人のキャリアをより有意義なものにしていくでしょう。自分自身がどう生きていきたいかという視点を持つことで 、満足度の高い選択をする、モチベーションが向上するということも可能でしょう。キャリア志向を知り、活かしてみませんか。

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この記事の編集担当

黄瀬 真理

黄瀬 真理

大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。

国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定

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