キャリア面談では何を話せばよいのか?――評価面談との違いとWill・Can・Mustの使い方

2026.08.20
コラム

ライフワークス 執行役員の佐々木です。

キャリア面談を導入している企業の上司から、よく聞かれる質問があります。

「キャリア面談って、結局何を話せばいいのでしょうか?」

これは非常にもっともな疑問だと思います。

業務の話であれば、目標や進捗、成果について話せます。

評価面談であれば、一定期間の成果や行動を振り返ることができます。

一方で、

「キャリアについて話してください」

と言われると、急にテーマが大きく感じられます。

その結果、

「異動したい部署はある?」

「将来やってみたい仕事は?」

という質問だけで終わってしまうケースも少なくありません。

では、キャリア面談では何を話せばよいのでしょうか。

■評価面談とキャリア面談では「時間軸」が違う

まず押さえておきたいのは、キャリア面談と業務・評価面談は目的が異なるということです。

評価面談では、現在の役割や目標に対して、これまでどのような成果を上げたかという視点が中心になります。

一方、キャリア面談では、

「今の仕事や経験を、これからの成長や役割にどうつなげていくのか」

という、より長い時間軸で対話することが重要です。

■「外的キャリア」だけを聞かない

キャリアについて聞くと、

「どの部署へ行きたいか」

「どんな役職を目指したいか」

「どんな資格を取りたいか」

といった、外から見えるキャリアの話になりやすいものです。

もちろん、それもキャリアの一部です。

ただし、役職・職種・所属部門といった「外的キャリア」だけではなく、

「何にやりがいを感じるのか」

「何を大切にして働きたいのか」

「どんな時に自分らしく力を発揮できるのか」

という、本人の内面にある内的キャリアにも目を向けることが重要です。

■Will・Can・Mustを整理する

内的キャリアを含めてキャリアを考える際に、使いやすいフレームがWill・Can・Mustです。

Willは、「やりたいこと」。

意志、目標、価値観、興味、関心などです。

Canは、「できること」。

強みや持ち味、知識、技術、技能など、その人がこれまで培ってきたものです。

Mustは、「すべきこと」。

会社や職場など、周囲から期待されていることです。

キャリア面談では、この3つを別々に確認するのではなく、

本人のWillやCanと、組織からのMustをどう接続するか

を一緒に考えることが重要です。

例えば、本人のやりたいことを聞くだけなら、単なる希望聴取になってしまいます。

逆に、組織からの期待だけを伝えれば、業務面談に近くなります。

「あなたは何を大切にしているのか」

「これまでどんな強みを培ってきたのか」

「今の組織からどんなことを期待されているのか」

その接点を探していくことが、キャリア面談ならではの対話です。

■「現在→未来→成長テーマ」をつなぐ

さらに重要なのは、話して終わらないことです。

現在の役割や経験を振り返る。

本人のWill・Canを整理する。

組織からのMustとすり合わせる。

そして、

「では、今後どのような役割や経験を積んでいくのか」

という成長テーマにつなげていく。

■キャリア面談は「答えを与える場」ではない

上司が部下のキャリアを決める必要はありません。

まして、上司自身の経験をもとに「こうした方がいい」と答えを与えることが、キャリア支援の目的でもありません。

本人が自身のWillやCanに気づき、組織からの期待との接点を見つけ、次の経験や成長について考えられるよう支援する。

それが、キャリア面談における上司の重要な役割です。

「キャリアについて何を話せばよいか分からない」という問題は、上司のコミュニケーション能力だけの問題ではありません。

何について考え、どのような順番で対話するのかという"型"を用意すること。

それによって、キャリア面談はぐっと実践しやすいものになります。

ライフワークスでは、キャリア面談の目的整理から、面談シート、上司・メンバー向け支援、運用定着まで、キャリア面談を「機能する対話の仕組み」にするためのご支援を行っています。貴社の状況や課題について、私たちと一緒に整理してみませんか?

著者:佐々木 淳

佐々木淳大学卒業後、一貫して人材業界で20年。主にIT業界やコンシューマサービス業界大手企業の採用コンサルティングを10年あまり手掛ける。その後、ライフワークスに入社。年代別のキャリア支援や、上司向け部下のキャリア開発支援などといったソフト面の施策企画提案に幅広く携わる。大手を中心に幅広い業界のクライアントに対するコンサルティング実績を持つ。
現在は、年間約200社のキャリア課題解決に向けた施策立案の責任者として従事。

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