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2014.07.10 テスト

HRカンファレンス2014-春-特別講演『65歳雇用義務化時代の人事戦略』レポート

 2014年5月22日(木)、日本の人事部主催『HRカンファレンス2014-春-』特別講演に、当社代表の梅本が登壇しました。特別講演当日は、ゲストスピーカーとして、味の素製薬株式会社 人事部 専任部長の増井一(ますい はじめ)氏にもご講演いただきました。

 特別講演は、「65歳雇用義務化時代の人事戦略~40代から始める、シニア社員のキャリア開発支援~」と題しまして、シニア社員自らがキャリアを考え、いきいきと働き続けるために40代から取り組むキャリア開発支援策を紹介しました。

継続雇用における4つの問題点

 味の素製薬株式会社 増井氏からは、3年前より本格的に取り組みはじめた同社の『シニア社員のキャリア自律支援』をご紹介いただきました。 ご講演では、まず、キャリア自律支援を取り組むにあたって、その背景にあるシニア社員を取り巻く4つの問題点に触れられていました。

<シニア社員を取り巻く問題>
1.定年退職者の8割が再雇用を希望
2.法改正による希望者全員の再雇用
3.再雇用時の給与が世間水準よりかなり高い
4.技術・技能の伝承が進まない

キャリア選択には時間が必要。55歳~58歳の3年間は準備期間

 これら4つ問題点の解消に向けたシニア社員のキャリア自律支援においては、"シニア社員が主体的に定年後のキャリア選択を行うには2~3年の準備期間が必要"ということが念頭に置かれています。55歳時にライフプラン研修を行い、3年間じっくりと今後のキャリア選択を考えた後、58歳時が再雇用の応募時期となっています。
 55歳時のライフプラン研修では、現役の頃とは異なる再雇用の仕事内容・職場環境に適応できるようなマインドチェンジの仕掛けが盛り込まれています。

 また、味の素製薬様は、シニア社員がキャリア選択を行うための判断基準を作るプロセスで、非常にうまく"他者"を活用されています。その一つに、ライフプラン研修の事前課題として『ハローワーク訪問』があります。60歳以降、社外にはどのような仕事があり、どれくらいの収入を得られるのかを調べることでシニア社員は自分の市場価値を知ることができます。
 今後は、シニア社員のキャリア自律支援をさらに強化する方向にあり、まずは50歳時にキャリアライフ研修を追加される予定です。中長期的には、人生の正午である40代での研修実施も視野に入れているとのことです。

仕事と処遇の不利益な変化を受け入れられないシニア社員

 当社代表の梅本からは、シニア社員の心理面に目を向けながら、シニア社員のモチベーションダウンを防ぐための施策と、施策の一つであるキャリア研修を効果的に実施するための年代別研修テーマを紹介しました。
 シニア社員の多くは、50代中頃から後半にかけて、会社における仕事・役割・処遇の変化に直面します。管理職は役職定年に、非管理職においても、会社の中心的業務が後輩に移り補助的な役割に変わっていきます。本人にとっては決して望ましいとは言えない、不利益な変化に折り合いをつけることが、定年後再雇用も含めた彼らのキャリアに大きく影響します。

<シニア社員のモチベーションダウン防止策>
1.職域開発・職場環境整備
2.上司のマネジメント
3.人事制度・賃金制度改革の見直し
4.シニア社員本人の意識を変える

40代・50代前半・50代後半の3つの年代層でキャリア課題を考える

 『4.シニア社員の意識』に注目すると、定年後の望ましいキャリアを"シニア社員自身が描き選択する"というプロセスは不可欠です。定年後のキャリア選択に向けて、40代・50代前半・50代後半それぞれのキャリア課題と、課題解消のための研修テーマを講演では紹介しました。

来場者アンケート結果

特別講演来場者アンケート回答結果

アンケート設問:40代・50代社員活用において、課題と感じていることをお教えください。
(※選択式・複数回答可)
有効回答数:34(※来場者数58 会場定員60)
対象者:特別講演来場者

特別講演来場者のアンケート回答では、「再雇用社員の活用」を課題と感じている方が最も多いという結果でした。また、おそらく、来場者の全ての企業で役職定年制度が導入されているというわけではないと思いますので、『役職定年対象者のモチベーションアップ』の回答数を見ますと、役職定年制度導入企業がかなりの割合で課題感を持っているものと思われます。

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