キャリア開発研修

多様な部下を持つ
管理職向け

管理職が担うマネージャーとしての役割は大きく分けると次の2つといえます。1つが、リーダーシップを発揮して組織をまとめ、仕事の成果をあげる役割。もう1つが、指導、評価・フィードバックなどにより部下を育成する役割です。後者については、現在では、部下のキャリア形成の促進、モチベーションやメンタルヘルスへの配慮なども重要視されてきています。

このように多くの役割が求められる管理職は、「プレイング業務に時間が割かれ、部下とのコミュニケーションが不足する」「自分のビジョンや組織の方針を打ち出せなかったり、部下にうまく伝えたり納得させたりできない」「部下に仕事を任せきれない」といった課題を抱える場合があります。

特に、今日の管理職は、男性、女性、若手、シニア(年上)、育児や介護との両立期にある社員など、多様な部下との協働で成果をあげることが求められれます。そして、マネージャーに以上のような課題があることで、事業推進や個々のキャリア開発推進の妨げになったり、時にはメンバーの予期せぬ離職に繋がったりする可能性もあります。

そうならないよう、企業の人事担当者は管理職が役割を遂行できるような支援をする必要があります。例えば、管理職が、自身のタイプに適したリーダーシップを発揮するための支援だけではなく、部下の仕事上やキャリア形成上の課題に適切に関わる力を身に着けるための支援です。具体的には、管理職とメンバー双方を対象としたキャリア開発研修の機会を設けた後に、管理職とメンバーでのキャリアに関する面談の機会を用意するなど、管理職と部下の双方に同時に働きかけることで、互いの仕事やキャリアに関する理解の促進を図る方法も有効です。

多様な部下のマネジメントにおける
キャリア開発の課題

  • 管理職本人のキャリア形成が進まない
  • 管理職に部下のキャリア形成のためのマネジメントという視点が不足している

多様な部下のマネジメントのための
キャリア開発の方向性

  • 管理職が多様な部下の価値観を理解し、それぞれのキャリア開発に関わる力を身に着ける
  • 管理職(上司)と部下がともにキャリア形成を促進できるよう相互理解を促進する
施策例

若手社員とその上司の双方に働きかけ、互いにキャリア意識を醸成

背景

若手社員の離職が目立つようになり、人事による直接の支援だけではなく、現場の上司による支援の必要性が高まった。

施策

若手社員にキャリアデザイン研修を実施し、3年後、5年後に向けたキャリアのイメージを明確化。あわせてキャリアの展望についてアンケートを行った。上司(管理職)にはアンケート結果を踏まえた若手社員のキャリアの課題理解のためのセミナーを実施。セミナーに合わせて若手社員との面談を円滑に進めるためのロールプレイングを行った。それぞれの施策後に、上司と若手社員の面談の機会を設けた。

成果

面談によって、上司は若手社員(部下)のキャリアのイメージを理解し、組織としてありたい姿と、部下それぞれにメンバーとして担ってもらいたい期待役割を伝えることができた。結果として、若手社員は自身のキャリア形成のイメージを組織の成長のイメージとつなげることができた。

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