女性向け活躍推進と、その管理職に向けた意識を醸成する研修を実施

女性社員、管理職双方の「女性のキャリア」への意識に課題

当社が女性活躍推進に力を入れ始めたのは2014年ごろからで、そのきっかけは、トップからの問題提起でした。「今後さらに自社が発展していくには、1000人超の従業員が男女を問わずだれもが活躍する会社にしなければならない。そのためにも、女性の活躍の推進は欠かせない」。2013年から全現場を見て回ったトップによる結論が、このような強いメッセージとして私たちに伝えられました。

この問題提起を受けて進めた取り組みのひとつが、女性社員のキャリア意識の醸成と、女性管理職を育成する仕組みの構築です。当時は女性活躍推進法の施行(2015年)を控えている社会環境にもありましたが、当社においては、2014年時点で女性社員比率は約13%で、女性管理職は1名、部下のいない課長職の女性も1名、そして、管理職候補となれる女性社員はそう多くはないという状況。また、現場では、各店舗の女性社員は事務業務を担う者1名に加えて女性営業職が1名いるかどうかで、女性社員が特別扱いされやすく、本社においても、女性社員は一定数いるものの、ルーティンの業務を確実に進めることが求められている者が多く、仕事の幅を広げる視点を持ちづらい環境にありました。このような状況では、女性社員本人はキャリアを形成する意識を持ちづらく、また、管理職も、女性の部下を男性の部下と同じように育成していくものだという意識が希薄になりがち。だから、双方の意識を変えていくことが課題だと考えたわけです。

具体的には「2020年までに管理職または指導的立場の女性割合を5%とする」という数値目標を立て(2018年に期限を「2021年4月まで」に変更)、その実現の方法として研修を企画しました。その際に情報提供をいただいたのが、ライフワークスです。上司と女性社員の両方に向けて研修を行う"ダブルアプロ―チ"プログラムを提唱していることが特徴的で、また、当社の風土・環境をふまえて、研修の導入が円滑に進むようにと女性活躍推進の概要を理解するためのフォーラムもご提案いただいたことが、私たちが描いていた目標への筋道のイメージと重なる部分が多く、フォーラムと研修の両方をお願いすることにしました。

第一歩として、背景理解をうながすフォーラムを実施

女性社員、管理職双方への研修を実施する前段階として2017年2月に実施したのが、「女性活躍推進フォーラム」です。ここでは、女性活躍推進の背景の理解や、当事者意識を持つことを促すことをねらいとしました。女性活躍推進については、トップが強くメッセージを発することで、会社の本気具合を伝えることも大切ですが、社員一人ひとりがしっかりと当事者意識を持つことも大切だと考えました。フォーラムは、全女性社員が受講者として、管理職がオブザーバーとして開催しました。会場では当社が女性活躍を推進する理由や背景を丁寧に伝えるように心がけ、少なからず理解をうながすことができたと思います。とくに若手女性社員からは、「今後のキャリアを考える上で役立った」などと意欲的な感想が出ていました。

プログラム概要

プログラム名 女性活躍推進フォーラム
日程 2時間半
対象 受講者:全女性社員
オブザーバー:管理職
プログラム概要
  • ミニレクチャー(ダイバシティとは/女性が働く環境の変化/男女の感性の違い)
  • 仕事の価値観を知る
  • これから先の自分の姿をソウゾウする

キャリア形成や部下育成の意識を持つきっかけとなった

フォーラムの開催から少し間をあけて、2017年12月に、管理職手前、具体的には課長代理と課長級の女性と、男性管理職に対する研修を別々に実施しました。

管理職手前の女性に対する研修は、テーマを「私らしくリーダーシップを発揮する」と設定し、自分たちがリーダーシップを発揮する立場にあることを意識づけた上で、自分らしいリーダーシップの発揮の仕方を考えてもらう内容にしました。研修終了後の感想としては、「まだ自信がもてない」という声もありましたが、「管理職を目指したくなった」という参加者も多く、今後のキャリア形成のための意識醸成のきっかけにできたのではないかと感じています。

一方、男性管理職向けの研修は、直属の部下にいる課長代理や課長職の女性をどのようにして管理職へと育成するのかを具体的に考えてもらうことを目的に据えました。プログラムとしては、女性部下特有の悩みを提示してロールプレイングを行うなど、女性社員の傾向について理解を深めてもらった上で、明日から意識して実行することを考えてもらう内容にしました。また、研修冒頭のあいさつで人事担当役員から「直属の部下の女性を管理職にすることがあなたたちの仕事だ」ということを明確に伝えてもらい、場を引き締めてもらう工夫もしました。

いずれの研修も同じフォーラムを担当いただいた講師の方にお願いしたのですが、その方が育児中の女性で、かつ、管理職経験がありながら、ガツガツとした印象がまったくないという様々な側面をお持ちで、女性社員は親しみを持って働き方をイメージすることができたようですし、管理職男性も女性管理職に対するイメージが広がることにつながったのではないかと感じています。

プログラム概要

プログラム名 女性社員向け研修
日程 1日
対象 女性社員(課長級)
プログラム概要
  • 自分が変化した経験を振り返る
  • 課長級社員としての自分をイメージする
  • これからの20年をソウゾウする
  • これからの働き方を語り合う

プログラム概要

プログラム名 管理職向け研修
日程 4時間
対象 管理職
プログラム概要
  • 女性部下のマネジメントのポイントを知る
  • 明日からの行動変革
  • 女性社員研修への協力・理解を促す

1回の研修で終わらせず、継続的に働きかけていきたい

今回の一連の取り組みを振り返ると、特に男性管理職向け研修では、受講者によって内容が響いた人もいればそうでもない人もいたようで、研修で終わらせるのではなく、継続的な働きかけをしていくことの重要性を感じました。「2021年4月までに管理職または課長以上に占める女性の割合を5%とする」という目標への道のりはちょうど半ばぐらいに差し掛かりました。この目標に向けて、引き続き女性社員とその上司に働きかけ、管理職手前の女性のキャリア意識を醸成しながら、上司はそれをきちんとフォローできる体制をつくっていきたいと考えています。具体的な方法はまだ検討中ですが、2018年4月には、研修の受講者だった女性から1名ずつ、管理職と課長職に昇格者が出ましたので、彼女たちにロールモデルとなってもらうなど、連携した取り組みなども検討してきたいと思います。

この事例のまとめ

課題 女性活躍を推進する上で、女性社員と管理職双方の意識に課題
女性社員の活躍を推進していく上で、女性社員のキャリア形成の意識が醸成されていないこと、また、管理職に女性社員を育成する意識が希薄なことが課題だった。
方法 管理職手前の女性と男性管理職に対して、意識を醸成する研修を実施
女性活躍推進の概要・背景の理解を促すフォーラムを行なった上で、管理職手前の女性を対象に自分らしいリーダーシップの発揮の仕方を、男性管理職を対象に女性管理職の育成を考えさせる研修を実施。
成果 女性社員と管理職の意識を変えるきっかけをつくることができた
「管理職を目指したい」という意欲を示す女性社員が表れ、実際に昇格者も出た。また、男性管理職に対しても、女性管理職を育成する意識を持つきっかけをつくることができた。

取材日: 2018年7月5日

研修導入企業情報

ネッツトヨタ東京株式会社 様

目的
管理職の育成力強化 女性の活躍推進
年代
20代 30代 40代
業界
流通・小売

企業のご担当者様

総務部 女性活躍推進プロジェクトリーダー 課長 青山 久美子 様

総務部
女性活躍推進プロジェクトリーダー
課長
青山 久美子 様

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