全国キャラバンで女性活躍推進活動を全社に浸透させ、女性社員の意識を向上

ロールモデルづくりからスタートするも、育成には時間が必要

今後は生活者との接点がより重要になり、当社のビジネスも変わらなくてはなりません。重要になるのが、女性の視点での切り口です。弊社の企業理念は「家族の笑顔を創ります」。笑顔をつくるキッチンメーカーとして、お客様(特に女性)から選ばれ続けるためには、女性社員が能力を十分に発揮し、活躍できる風土に変えていくべきだと、2007年に女性活躍推進委員会を立ち上げました。まずは、お客様との主要な接点であり女性社員の約半数を占めるショールーム(SR)の職場からロールモデルを作ろうと、2009年度主任を対象にキャリアデザイン研修を実施。2010年度~2011年度にはSR職係長研修を行って、現場の課題を職場のスタッフと共に解決する活動に取り組みました。

女性活躍推進の担当になって感じたのは、風土の手強さです。私たちが以前所属していた開発部は、男女の社員の担当業務に差はありませんでした。しかし、他部署ではまだまだ女性の活躍の機会が限られていることに改めて気づき、風土改革の必要性を感じました。

そのためSR職係長研修では、男性管理職に活動に関わっていただく機会を設けることにしました。事前に各受講者の職場へ出向き直接しっかりと話をするとともに、研修のプロセス毎に必ず事務局から状況を報告。受講者が男性管理職に相談する機会も設けました。次第に男性管理職が研修の重要性に気づき、やがて率先して取り組んでくださるようになりました。

社内アンケートの結果から、全社で取り組むべき課題だと実感

SR職研修では一定の成果を得られたのですが、ロールモデルが生まれるには時間がかかります。このままでは、SR職以外の女性社員に他人事のように捉えられるおそれがありました。

そこで、現場に会社の本気度を伝え、会社が変わっていくことを示そうと、2010年度2月に「第1回女性活躍推進フォーラム」を実施しました。各地から約50名の女性社員が本社に集合。経営トップが女活の重要性を訴え、外部講師による講演や参加者の意見交換を行いました。結果は、参加者の98%が「良かった」と評価。「自分も何かしなくては」という思いを共有することができました。その後全国を巡る予定でしたが、東日本大震災が起こり、実現できずにいました。

しかし、2011年に実施した「会社の取り組みに関するアンケート」の結果から、描いている女性活躍の姿とのギャップが判明しました。外部の専門家や他社にも意見を伺いましたが、結局自社で試行錯誤するしかないと判断。その際、ライフワークスさんからは「女活を切り口に、全社的な活動が大切では」という提案をいただきました。

これまでのロールモデルを生み出す取り組みと並行して、会社の風土を現場から変えていく取り組みを行う必要がある。そう考えて、「全国キャラバン女活フォーラム」を企画しました。2012年度の12月から東京本社を皮切りに、名古屋、2013年度4月から大阪、福岡、いわき、仙台と、全国6ブロックで実施します。

各ブロックの実行委員を主体に、男性管理職も一緒に参加

「全国キャラバン女活フォーラム」の目的は、女活を全社に浸透させ、女性社員の自律意識の向上を図ること。そして、各自が一歩を踏み出すことにあります。現場の女性社員に主体的に取り組んでもらおうと、ブロック毎に実行委員を公募。各ブロックの実行責任者は執行役員に担っていただき、現場主体でフォーラムを開催する体制を整えました。

女活や風土改革は、私たち担当者だけでは実現できません。フォーラムも現場社員と一緒になって作り上げていくようにしました。また、「第1回女性活躍推進フォーラム」の反省から、女性社員とその直属の男性管理職に参加していただくようにしました。

まず東京本社ブロックで開催し、男性管理職にもプログラムに積極的に参加して頂きました。最初は場の雰囲気に慣れない様子が伺えましたが、カードワークなどを行ううちに、徐々に変化がみられるようになりました。男性管理職同士で女性社員のマネジメントについての悩みなどを共有して気づきを得たり、女性社員の思いの深いところまで知ることができ、懇親会でもコミュニケーションが活発に行われました。

課題は、高まった意識をどう維持し、いかに行動として継続し、実際の女活に結びつけていくか。女活専用Webサイトで女性社員のステップアップに役立つ情報を発信したり、各ブロックの実行委員を中心にさまざまな活動に取り組むことで、女活のスピードアップを図りたいと考えています。

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この事例のまとめ

課題 女活を広めるには、全社的な風土改革が必要だと実感
アンケートの結果、描いている女性活躍の姿とのギャップが判明しました。女性の意識に加え、会社の風土改革の必要性を感じました。
方法 会社の本気度をメッセージし、自らの働き方を見つめ直すフォーラムをブロックの現地女性社員が中心となって全国で開催
女性社員自身が、会社からのメッセージを受け止め、自分の働き方を見つめ直すフォーラムを全国で実施。上司と参加することで、男性管理職自身にも気づきを得てもらうことにしました。また、運営を現地の女性社員にお願いすることで、会社に貢献している実感や自主的に動くことの楽しさや自分自身の成長を味わってもらうことにしました。
成果 女性・男性とも意識は高まるが、いかに行動へと持続させるかが大切
これまでの参加者アンケートでは、98%が「良かった」というポジティブな回答。経営トップから初めて直接話を聞いた女性社員も多く、会社が変わっていくという本気度を感じ、女性・男性とも女活に対する意識が高まっています。課題は、今回得た意識変化のきっかけをいかに行動として継続していくかです。実行委員に賛同するサポーターを巻き込みどうフォローしていくか、その手段を検討しています。

※ご担当者の所属、役職などは2013年3月現在のものを掲載しています

取材日: 2013年3月

研修導入企業情報

クリナップ株式会社 様

目的
女性の活躍推進
年代
20代 30代 40代
業界
メーカー(toC)

企業のご担当者様

人事人材開発課 課長 石松 裕紀子 様

人事人材開発課
課長
石松 裕紀子 様

クリナップ株式会社 人事部女性活躍推進課 課長 舟生 美幸 様

クリナップ株式会社
人事部女性活躍推進課
課長
舟生 美幸 様

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