働きがいを、すべての人に。株式会社ライフワークス

「キャリア自律意識の醸成」「シニア世代の職域開発」
という2つの課題解決に向けた第一歩として
キャリアアドバイザー制度を構築

会社のさらなる成長に向け、「従業員のキャリア自律意識の醸成」が喫緊の課題

事業環境の変化により、ビジネスモデルの転換や新たな事業ドメインの開拓に挑戦しているK社。その挑戦には、従業員一人ひとりが自律的に考え、ボトムアップで新しいアイデアや改善の提案を行う組織づくりが必要でした。しかし、長年、トップダウンで事業を進めてきたため、従業員は言われたことをスピーディにこなしていくことに慣れてしまっている状態にありました。

また、設立から約25年と比較的若い企業であるため、これまではシニア世代の従業員はそれほど多くありませんでしたが、今後は、60歳の定年を迎えて再雇用を希望する従業員が毎年約100名、向こう5年間で約500名に上ることが予測され、シニア世代の職域開発の必要性にも迫られていました。

この2点について課題意識を持っていた人事部門の方からライフワークスに相談をいただき、どのような方策が考えられるかというところから一緒に検討を進めました。

キャリア自律意識醸成の担い手として、キャリアアドバイザーを新設

検討の結果、2つの方策をとる必要があるという結論に至りました。それは、「従業員のキャリア自律意識を高めること」「上司が部下の成長を支援するマネジメントを行えるようになること」です。自らの今後のあり方を考えて積極的に能力開発を行ったり、社内での成長イメージを描いて今後挑戦したい仕事を考えたりすることができる従業員が増えれば、上からの指示によってではなく自発的に仕事に取り組んだり、新しいアイデアを出したりといった動きが活発になり、組織が強化されて業績向上につながること、また、従業員のキャリア自律意識を高めるには、上司が日々のマネジメントを育成視点でも行えるようになることが必要不可欠だという考えからです。

そして、この2つの方策を推進していくにあたり、まずは社内にキャリアアドバイザーという役割を新設し、シニア世代の従業員の方に担っていただく制度を立ち上げることを、ライフワークスから提案しました。というのは、上司のマネジメント力の向上を多忙な管理職に一任するのは、管理職の負担が大きく実効性に乏しいと考えたからです。まずはキャリアアドバイザーという形で従業員のキャリア形成支援を専門に担う役割をつくり、従業員と個別にキャリアコンサルティング面談を行う活動を進めていくことで、一人ひとりのキャリア自律意識を醸成していければと考えました。また、この役割をシニア世代が担うことで、シニアの職域開発という課題に対する打ち手にもなります。

人事部門の方も、セルフ・キャリアドッグを推進する国の動きや、キャリアコンサルタントの存在などは把握されており、何かしらの形で従業員のキャリア形成を支援する仕組みを社内に設けたいという考えをお持ちでしたので、この提案に賛同いただき、制度構築に向けて経営層に働きかける方向でご検討いただくことになりました。

定量評価や定例ミーティングなど、実効性のある仕組みを構築

K社内でキャリアアドバイザー制度を構築するにあたっては、2つの課題がありました。

1つめは、「適任者探し」です。キャリアアドバイザーは人の成長にかかわる仕事ですから、トレーニングも必要ですし、だれでもできるものではありません。そこで、シニア世代の今後のキャリアや自社に対する考えを把握する機会も兼ねて、58歳〜59歳の社員約100名と人事部門の同世代の社員による1対1の面談を行うことを提案し、インタビュー項目や面談マニュアル、面談結果を記録するシートの内容、さらには、キャリアアドバイザーの適任者を見極めるための基準についても助言させていただきました。

2つめは、「経営陣の説得」です。新しい制度を立ち上げ、社内に浸透させるには、経営陣の承認が不可欠です。しかし、K社のトップは「キャリア自律をうながすことで、優秀な人材が社外に流出してしまうのではないか?」という懸念を抱いていらっしゃいました。そこで、まさにこの課題を他社でも解決に導いたライフワークスのプロジェクトメンバーの経験をもとに、説得材料として提示すべき情報や、稟議の進め方などについて助言しました。その結果、トップから「とりあえずやってみよう」と制度構築を後押しする言葉を引き出すことができました。

こうして立ち上げの下地が整い、定年前シニア社員から13人をキャリアアドバイザーに任命、数年かけて2万人弱の従業員全員とキャリアコンサルティング面談を行う計画で活動を開始しました。

制度の導入・推進にあたっては、キャリアアドバイザー着任時の研修だけでなく、実効性のある仕組みであり続けるための支援も、ライフワークスが行なっています。具体的には、「キャリアコンサルティング面談を通じて組織の課題を抽出し、人事部門や経営層に提言を行う」というセルフ・キャリアドッグの機能を果たせるよう、ヒアリング内容を定量的に評価するための指標を設けて月次の定例ミーティングで分析・評価し、人事制度などに改善の余地があれば議論する仕組みや、キャリアアドバイザーのスキルアップのための事例検討会の実施を提案し、定量評価のための指標の項目案や議論の進め方などについて助言させていただきました。また、事例検討会にも、ライフワークスのコンサルティングチームのメンバーが入り、指導・助言しています。

キャリアアドバイザーの仕組みは、キャリアアドバイザーの方が守秘義務を守ることを意識しすぎるあまり、キャリアコンサルティング面談を通じて組織の課題を抽出し、人事部門や経営陣に提言を行うことに至らず、「面談は、会社のためなのか? 個人のためなのか?」と制度の意義に疑問符がつく事態に陥ることがあります。そうならないために、組織の課題を提言する機能まで発揮できる仕組みづくりを支援させていただきました。

シニアの職域開発と、従業員のキャリア自律支援の仕組みが実現

制度を導入して間もなく1年が経ちますが、すでに4000人を超える従業員との面談が進み、シニア世代の新たな職域を1つ作ることができたこと、また、キャリアという観点から従業員の支援を行う体制ができつつあることをK社の人事部門の方からご評価いただいています。

「面談を通じて組織の課題を抽出し、提言を行う」という機能についても、毎月の定例ミーティングなどの場で、面談の内容をふまえた人事制度の改善提案などが挙がっており、人事部門が現場目線で課題を認識し、改善を検討する機会となっています。

また、キャリアアドバイザーの存在が社内に浸透するにつれて、従業員が教育訓練給付をはじめとした各種教育制度を申請する際に「キャリアアドバイザーの勉強のため」という理由が増えており、「めざしたい役割」としても認知が広がっています。

今後の展開としては、面談を通じて「育児休業中」「介護と仕事を両立している」など、置かれている状況が似ている従業員には共通の悩みがあることがわかってきたため、似たような事情を抱えた従業員を集めたワークショップの検討が始まっています。

また、「従業員のキャリア自律意識を高めること」「上司が部下の成長を支援するマネジメントを行えるようになること」という2つ方策を進めるための取り組みとして、キャリアアドバイザー制度と同時に、年代別キャリア研修と、管理職を対象とした部下のキャリア形成支援をテーマにした研修を、いずれも任意の研修として立ち上げています。人事部門としては、将来、必須の研修としたいという意向をお持ちのため、キャリアコンサルティング面談をさらに進めて見えてきた課題もふまえて、実現に向けた情報提供や支援を行っていく予定です。

この事例のまとめ

課題 従業員のキャリア自律意識の醸成と、シニアの職域開発を行いたい
自社のさらなる成長のために、従業員のキャリア自律意識を醸成し、ボトムダウンで業務改善や事業創造を行いたい。また、今後増加するシニア世代の従業員の職域開発も行いたい。
方法 キャリアアドバイザーを新設し、シニアの職域とする
従業員のキャリア自律意識醸成の担い手としてキャリアアドバイザーを新設し、定年前シニア社員を任命。キャリアコンサルティング面談を通じて組織の課題を抽出し、人事部門や経営層に提言する仕組みも構築した。
成果 従業員のキャリア自律支援の仕組みと、シニアの新たな職域をつくることができた
全従業員のおよそ4分の1との面談が進み、キャリアアドバイザーの存在が浸透しつつあり、また、キャリアアドバイザーの定例ミーティングも機能しており、キャリアという観点から従業員を支援する体制が整いつつある。

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