事業環境の変化に戸惑い、
モチベーションが低下したミドル・シニア人材。
自信を取り戻し、社内での新たな役割創造をうながす研修を実施

ミドル・シニアの「今さら」意識を払拭する

流通小売F社は、豊富な商品を揃えた実店舗による対面サービスを強みとしてきた企業。しかし、近年のEコマースの普及等により、既存事業の継続だけでは将来の見通しは厳しく、業態変容も含めた事業転換に迫られていました。そこで、新たな競争優位性の確立や、既存事業の強みを生かした新分野進出に舵を切るべく、全社員に対して、変化をチャンスととらえ、自律的に新たな役割を担う意識と行動を求めることとなりました。
しかし、ポストオフやポストレス、年下上司の増加などの期待していなかったトランジション(転機)を経験したミドル・シニア人材の多くは、変化を求めることに対する「今さら」感が根強く、まずは自身の未来への関心と、未来を切り拓くための自己肯定感を醸成することが大きな課題となりました。

WillとCanを徹底的に掘り起こし、今後の提供価値を考える

「業態変容を進める中でミドル・シニア人材の知見を借りないということは考え難い。彼らのモチベーションを高め、自律的に自らの役割を考え、担っていけるような意欲を引き出せる研修を行いたい」という研修担当者の強い意思を受け、ライフワークスが提案したのが、自らが形成してきた価値観や動機、「こんな存在でありたい」という欲求と、これまでの職場生活で培った強みや専門性、持ち味を徹底的に棚卸しする、すなわち、WillとCanに徹底的に向き合う研修です。

同社のミドル・シニア人材が自信を取り戻すには、まずは長年の職場生活の中で蓋をしてしまっていた「こんな存在でありたい」という欲求をじっくりと掘り起こすこと。そして、さらに時間をかけて強みや持ち味を再確認していきながら、自分自身に可能性を見出していただくことが第一歩だと考えました。この方針には研修担当の方にもご賛同いただき、研修日程は2日間としました。

具体的には、1日目で徹底的にWillとCanを掘り起こし、2日目に周囲からの期待・要望も把握した上で今後の提供価値を考え、具体的な行動計画を立てるというプログラムを設計。とくに次の3つの内容に力を入れました。

1)自分の原点を探る

仕事に限らず、人生における動機や欲求は何かを探る時間を設けました。働き始める以前から抱いてきたさまざまな希望、欲求、思いも含めた広い観点から入社先として同社を選んだ理由、同社で働き続けている理由などを思い起こして棚卸しすることで、ありたい姿に気づくことができるようにしました。

2)今後の提供価値を考える

受講者の多くは「自分は期待されていない」「自分にはもうできることがない」と考えているため、「自分にはまだまだ組織や人、社会に対して提供できることがあるんだ」という気づきを得られるようにしました。

3)提供価値を考える前に、周囲からの期待を把握する時間を入れる

何の制約もない状態で「自分のWillとCanをもとに、どのような役割を果たしたいか考えましょう」と言われてもなかなか思考が進まないことが予見されました。そこで、同僚や上司からの期待や要望を把握する時間をとり、自身がこれから担うべき役割を方向づけるヒントが得られるようにしました。

研修後にキャリアカウンセリングも実施

さらに、研修の受講者全員に対して、研修後にキャリアカウンセリングを実施しました。目的は2つです。1つ目は、行動計画の実行に意欲的な方たちに、計画をブラッシュアップしていくために具体的なアドバイスをすること。そしてもう一つは、研修を受けたものの変化することや自分の今の状態を受け入れられない方たちに、心情的なフォローをすること。後者に該当する方々は、前向きになれない気持ちを乗り越えなければ行動変容することはできません。そこで、思いを吐き出してもらったうえで、変化する必要性に自ら気づいてもらえるよう、カウンセラーが徹底的に傾聴しました。

提供価値を考える前向きさ・自己肯定感が醸成され、行動も変容

研修を通じて、受講者の皆さんは、自分がどんな人生を生きてきたか、それにより、どのような強みや価値観が培われたか、ということが腹落ちし、会社に提供できる価値を考える前向きさや自己肯定感が醸成されました。そして、研修後のキャリアカウンセリング時には、受講者の7割が研修時に立案した行動計画を実践し始めているという結果に。一方、悩みを抱えていた方々にも、ありたい姿や提供したい価値を実現する一歩を踏み出すためのヒントを示唆することができたと感じています。

もう一つ、大きな成果となったのが、同社におけるミドル・シニア人材が内に抱えていた課題を抽出できたことです。この研修とキャリアカウンセリングといった一連の施策を始めるまでは、同社のミドル・シニア人材が働く上でどのような思いを抱えていて、何に納得できていなかったのかを人事部門も経営層も計り知ることができていませんでした。この施策を通じて、この世代の人たちが抱えている課題が見えてきて、こういった情報は今後のキャリア支援施策を検討するうえでの注目するポイントとなりました。

セルフ・キャリアドッグの導入も視野に入れている同社には、こうして抽出できた課題を受けて、今後も様々な角度からキャリア開発の体制づくりの支援をさせていただく予定です。

この事例のまとめ

課題 変化に向き合うことに消極的なミドル・シニア人材の意識・行動変容
事業の転換期において、社員には自律的に新たな役割を担う意識と行動が求められていたが、ミドル・シニア人材には変化に向き合い、対応することへの戸惑いが見られ、意識・行動変容が必要だった。
方法 ありたい姿を描き、行動するための研修とキャリアカウンセリングを実施
自身の未来への関心と、未来を切り拓くための自己肯定感を醸成し、ありたい姿を明確にする研修と、実現への一歩を踏み出すためのキャリアカウンセリングを実施。
成果 自己肯定感の醸成と行動変容が実現。世代特有の課題も可視化された
自らが会社に提供できる価値を考える前向きさや自己肯定感が醸成され、行動も変容。さらに、ミドル・シニア人材に対する今後のキャリア支援施策のポイントとなる、この世代が抱える課題を可視化できた。

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