働きがいを、すべての人に。株式会社ライフワークス

「70歳就業時代」を見据え、ミドル・シニア世代のキャリア開発支援を強化
社員が自らの「持ち味」を活かし、年齢を問わず戦力として
最前線で活躍できる組織づくりを目指す

65歳定年制導入に伴い、50代以降に2回のキャリア開発研修を新設

三井不動産グループでは、長期経営方針「VISION2025」の達成に向け、「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」、「グローバルカンパニーへの進化」の3つのビジョンを掲げています。これらのビジョンを実現するために欠かせないのが、人材戦略の強化。劇的に変化する社会ニーズに対応し、新たな価値創造を実現するために、多様な価値観・才能・ライフスタイルを持った人材が活躍できる組織づくりを進めています。

こうした背景から、ボリュームゾーンであるミドル・シニア社員の活躍への期待も高まり、2019年度に定年を60歳から65歳に延長しました(2020年4月より実施)。従来の再雇用(65歳まで1年更新の契約社員)制度に比べて腰を据えて働ける環境を用意し、社員に60歳以降も安心して力を発揮してもらうことが狙いで、制度の実施そのものは全社的にポジティブな反応でした。

一方で、60歳以降の社員は新たに設けられた「マスター職掌」に転換し、社内においては原則として職位からは外れることから、社員にとっては職掌転換後の活躍がイメージしづらく、「マスター職掌」のみならず、周囲も戸惑うことが懸念されました。そこで、役割変更後の活躍像をイメージするとともに、経験の棚卸しをして将来のキャリアを自らデザインするきっかけにしていただくことを目的に、株式会社ライフワークス(以下、LW)の協力を得て、60歳で行う「マスター職掌直前研修」と、52~53歳に行う「キャリアプラン研修」を新設。2019年度から実施しています。

経験の棚卸しをし、自ら意味づけすることの重要性

LWとともに40代後半の社員を対象に以前から実施している「マネープラン研修」も、社員が将来のキャリアやライフプランを意識するきっかけになっており、非常に好評です。今回も同社に依頼した理由は、当社の状況や課題を的確に理解し、プログラムのアレンジにも柔軟に対応できる点に魅力を感じたからです。

「マスター職掌」への転換日は「満60歳を迎えた年度末の翌日」と定めており、「マスター職掌直前研修」は1月ごろ、「キャリアプラン研修」は秋に開催しています。両研修ともワークやディスカッションを通して自らのキャリア資産を整理し、キャリアプランの策定を行いますが、「マスター職掌直前研修」では役割変更への心構えの形成も重視。年下の上司をはじめ周囲との協働のあり方や、「プレーヤー」として仕事に向き合う姿勢について、ケーススタディーを通して自然に考えを深められるようなセクションを設けています。一方、「キャリアプラン研修」では、職掌変更までの準備期間に主体的に学んだり(もしくは学び直したり)、新たな挑戦をして自分の「持ち味」を磨いてもらえるよう、キャリア資産の整理に重きを置いています。

マスター職掌直前研修の概要

日程 1日(8時間)
対象 次年度4月にマスター職掌になる社員(次年度4月1日時点で60歳の社員)
研修内容
(一部抜粋)
  • 会社からマスター職掌に期待する役割
  • 自身のキャリア資産を把握する
  • 仕事の価値観を探る
  • ケース研究「役割変更後の活躍を考える」
  • 相互インタビューを通じて、今後のキャリアをイメージする

キャリアプラン研修の概要

日程 1日(7時間半)
対象 52~53歳の社員
研修内容
(一部抜粋)
  • 自分の原点を探る
  • キャリアを振り返る
  • 今後の活躍を語り合う
  • これからのキャリアを考える

職位や報酬の変化も伴う職掌転換は、モチベーション低下のリスクがありますが、自らの経験に自分で意味づけし、「持ち味」として活かして業務に取り組んでいる社員は60歳を超えても意欲的に仕事に取り組んでいる、と「定年再雇用制度時代」から感じています。そのため、研修の企画においては、座学よりもグループワークやディスカッションなど自発的な「気づき」を得やすいプログラムを重視しました。

初年度の実施後、受講者からはいずれの研修も「キャリアを振り返るいい機会になった」「同年代の社員とキャリアについてじっくり語り合える貴重な機会だった」とおおむね好評でした。とくに手ごたえを感じたのは、「グループディスカッションを通し、自分の意外な『持ち味』に気づけたこと」と振り返る社員が少なくなかったことです。

例えば、「自分たちの世代はバブル時代と業績低迷からの再生期の両方を経験しており、修羅場経験で培われた粘り強い交渉力やリスク管理能力など『守備力』が他世代にはない戦力になるのではと感じた」という声がありました。人事がミドル・シニア世代の活躍支援のあり方を考えるうえでも示唆に富むものですが、それ以上に、社員が自らの経験に自分で意味づけできた点を大きな成果ととらえています。

事例紹介を充実させ、60歳以降の活躍像をよりイメージしやすく

初年度の研修は「マスター職掌1期」が誕生する前に実施したこともあり、「役割変更後の活躍像」については具体的なイメージを形成しづらい面もありました。そこで、2020年度のプログラムでは、実際に60歳以降も活躍している社員の事例紹介をより充実させました。

また、当社が定義している「マスター職掌」の役割には「知見を活かし、若手から中堅世代を支えていただくこと」も含まれており、後進育成や知識伝承もそのひとつですが、「マスター職掌」はあくまでも「現役」。これまで通り、「戦力」として組織貢献・利益貢献していただくことを期待し、周知もしていました。しかし、メッセージを浸透させ、すぐに行動を促すことは容易ではありません。

そこで、2020年度の「マスター職掌直前研修」では、役割の変化を理解していただくだけでなく、よりしっかりと期待を伝えて社員の意欲を高め、積極的にご自身の可能性を広げていただけるようなメッセージングの工夫を検討中です。

「70歳就業時代」では、個人の自律的なキャリア開発がより求められる

これまでの取り組みを通し、シニア世代の活躍の場を広げるには、「会社による職務開発や職域開発とキャリア開発支援」と「個人の自律的なキャリア開発」を両輪で進めることが不可欠だと実感しています。2021年4月には「70歳就業確保法(改正高齢者雇用法)」が施行され、「70歳就業時代」も間近ですが、同法には「個人事業主としての就業」など会社員以外の働き方も提示されており、今後は一個人としての自律的なキャリア開発がより求められるようになります。

しかし、ミドル・シニア世代には会社主体でキャリアを考え構築してきた方が多く、いきなり「将来を見据えてキャリアを考え行動してください」と言われて対応するのは難しいでしょう。当社では、65歳定年制度導入をきっかけにミドル・シニア世代のキャリア開発支援を見直したことにより、40代後半の「マネープラン研修」、52~53歳の「キャリアプラン研修」、60歳での「マスター職掌直前研修」と、社員の大きな転機という節目での世代ごとの導線を作ることができました。今後検討を進める、研修後のサポートメニュー拡充とあわせて、キャリアを主体的に考える力を養うには早い段階からの意識づくりが必要であり、今回の施策の意義は非常に大きいと感じています。

この事例のまとめ

課題 65歳定年制度導入にあたり、50代以降の社員のキャリア開発を支援したい
5年間の定年延長に伴い、50代以降の社員が自らのキャリア資産を活かし、引き続き現役として意欲的に働き続けるための支援の必要性が生じた。
方法 50代以降に2回のキャリア研修を実施。環境変化への適応を促す
職掌の変化する60歳直前と、52~53歳の「準備期」にキャリア研修を新設。50代以降に2回の研修を実施することにより、環境変化への適応を促す。
成果 経験の棚卸しをし、自らの「持ち味」に気づくきっかけを提供できた
自らの経験をじっくりと振り返り、キャリア資産を整理する場を提供できた。同世代との交流に刺激を受け、ディスカッションを通して「自分の意外な持ち味に気づけた」という声も目立った。

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